自動車のスプリングとベアリングについて
自動車の走行中の路面からの衝撃を緩和しているサスペンションには、スプリングが主に使われている。車種や車の大きさなどによって使われるスプリングにいくつか種類があります。サスペンションに関してはさらに詳しく別記事でもまとめてあります。
また自動車の軸受にはエンジンの部品からシャシの部品のいたるところに大小さまざまなベアリングが使用されています。それぞれのスプリングの特徴、名称などを簡単にまとめました。
スプリング
ばね定数=ばね常数→スプリングの強さ(硬さ)を表す。
・単位:N/mm、N/cm
10N/cmとあらわされたスプリングは10Nno力で1cm変化する。
スプリングの種類
- リーフスプリング
リーフ(板ばね)鋼板を3枚~10枚重ねて使用する。大型車になるほどその枚数は増える。リーフの端から端まで、全長の事をスパンという。
荷重がかかると伸びる=スパンの変化
リーフスプリングは両端が巻かれているが、巻き数の多い方が前側にする。スプリングアイという。
- コイルスプリング
金属の棒をねじりながら巻いたもの。シャシスプリングとして多く用いられ乗り心地はいいが、振動(伸縮)は止まりにくい。
- コイルの山と山の距離「ピッチ」
- コイルの太さ「線形」
※路面からの振動とばね本体の固有振動数が一致するとさらに振動が大きくなる(共振)
- トーションバースプリング
一本の棒鋼をねじり、そのねじりを利用する。商業用バンなどによく用いられる。
シャシスプリングの場合左右でねじりの方向を変えているので互換性がない。
- エアスプリング
乗用車では一部高級車や、トラックなどで用いられている。
- 圧縮空気の量でばね定数が変化する。
- 荷重の変化に対し車高が変わらない。
エアスプリングはさらにベローズ型、ダイヤフラム型に種類が分かれる。
他の金属ばねは一般的にばね定数は一定であり荷重が変わると縮むため、車高が変化する。
ベアリングとは
ベアリングとは、軸受け=回転物の摩擦を少なくする。
軸に対して垂直方向を「ラジアル方向」軸方向を「スラスト方向」と呼ぶ。
ベアリングは「プレーンベアリング」と「ローリングベアリング」に分類される。
・プレーンベアリング:滑り軸受、メタルなどともよばれる。大きな力を受けることが出来る。潤滑油を多量に必要とする。騒音振動が発生しにくく、衝撃荷重、重荷重、高速回転に強い
・ローリングベアリング:転がり軸受。摩擦抵抗が少なく動力損失も小さい。アウターレース、ころ、インナーレースなどの部品でで構成される。
- ころの種類
- ボール→ボールベアリング。点接触。ローラに比べると荷重小。
- ローラ→ローラベアリング。線接触。ボールに比べると荷重大
一般的にプレーンベアリングより潤滑油が少なくてよい。
受ける力の方向によって種類が分かれる。
- スラスト(軸)方向の力を受ける・・・スラストベアリング
- ラジアル方向の力を受ける・・・ラジアルベアリング
- 上記両方向の力を受ける・・・アンギュラベアリング
自動車のスプリングとベアリングについて まとめ
スプリングの種類、特性を知ることは、車のドレスアップの代名詞、ローダウンやリフトアップなどの入り口です。まずはしっかりと知識をつけてDIY整備に挑みましょう。またベアリングの種類をしり、力をかけて良い方向駄目な方向などを理解することが大切です。