ディーゼルエンジン 始動不良 グロープラグの点検、交換方法
ディーゼルエンジンは燃料に軽油を使っているので、そのままでは冷間時のエンジン始動性が悪くなります。
そのため、冷間時のエンジン始動にはグロープラグという部品を使うことでエンジンの始動性を良くしています。
グロープラグの構造は簡単で、棒状のものに電気が流れると先が真っ赤に熱くなりエンジン内部を温め始動性を良くする部品です。
グロープラグに不具合が起きると、冬の朝一発目のエンジン始動性はものすごく悪くなるか、最悪かからなくなる場合があります。
この記事ではグロープラグの点検方法と交換方法をまとめますので参考にして頂ければと思います。
ちなみに画像は1.5Tキャンターのエンジンを点検した時のものです。
ディーゼルエンジンならばどのエンジンでも点検の方法は同じなので参考になるかと思います。
グロープラグ点検方法 回路点検
グロープラグを点検する際にはまず、グロープラグに電気が流れているかどうかの点検を行う必要があります。
画像の様にメーターの中にグローランプというランプがあるかと思います。
キーをオンにしたときにこのランプが一定時間点することを確認します。
キーをオンにして点灯ししばらくたつと消灯すれば正常です。
この時点で、配線などに異常がなければグロープラグに正常に電気が来ている判断の目安になりますが
整備士としてはもう少し踏み込んで点検します。
エンジンルームのグロープラグの配線に電気が来ているかの点検をします。
画像の様にグロープラグが並んでいるところに一か所配線が出ている箇所があります。
そこにテスターを当てて、グルーランプが点灯しているときに電気が来ているかの点検を行います。
ここまで点検して、初めてグロープラグの回路は正常だと判断できます。
ここで、異常があればヒューズや配線やリレーなどに異常があると判断できます。
今回のエンジンではグロープラグの回路は電気が正常にながれていることが分かりました。
グロープラグ点検方法 単体点検
次にグロープラグの単体点検を行います。
グロープラグを外さなくてもできますが、今回はわかりやすくするため外して行います。
外し方は簡単で、ナット一本を外し電気を供給するための板状の部品をはずし、後はグロー本体にソケットがかかるようになっているので緩めて外します。
グロープラグを点検するときはテスターで抵抗値を測定します。
上の画像の様に上の電極の様に飛び出しているプラス側と、ネジ部のマイナス側で測定します。
ちなみにこの画像は正常のプラグを測定してます。
こちらの画像は異常なグロープラグの抵抗値を計った画像です。
上の様に無限大を指したり、抵抗値が異常に大きい場合は以上なので交換です。
グロープラグの抵抗値はものによって異なりますが、どんなものでもおよそ数オーム程度になります。
また、テスターがない場合でもグロープラグをバッテリーに直接つなぐことで点検することも可能です。
上の画像の様にバッテリーに直接つなぐことで、グロープラグの先が真っ赤に熱くなります。
異常品の場合は先がまったく熱くなりません。
この様な方法で良否判断することもできます。
この方法を使うときはやけどに注意して下さい。
グロープラグを交換する際はすべてのプラグを同時に交換することをおすすめします。
新品と中古品とでは内部抵抗が異なるため、エンジンのかかりが悪くなる場合があります。
しかし、グロープラグは一つだけ不具合が出たとしてもエンジンのかかりが悪くなる程度の症状しか出ない場合がほとんどなので、
グロープラグの異常に気付く頃にはすべてのプラグが駄目になっていることがほとんどです。
まとめ
ディーゼルエンジンでエンジンのかかりが悪い場合は、まずグロープラグの不具合を疑ってみてください。
グロープラグの値段は1本あたり2000~3000円位になるかと思います。
まれに、回路に異常があり、そもそもグローに電気が流れていない場合があります。その場合、配線図などを使って故障診断をしていく必要があるのでDIYでの整備は難しいかと思います。
グロープラグの点検整備ならば、DIY整備もできると思いますので、この記事を参考にしていただければと思います。