パワーウィンドウが動かない 原因と修理内容 




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スズキ ジムニー JB23の助手席側パワーウィンドウのみ動かないという不具合の修理内容や費用まとめています。

どの車種にも共通して言えることですが。パワーウィンドウの不具合で多いのは、パワーウィンドウモータ、パワーウィンドウレギュレータ、パワーウィンドウスイッチなどの不良があります。

パワーウィンドウの故障診断を行うときは、それぞれの部品をしっかりと切り分けて考える事が大切です。

どの車種でも基本的な点検方法は同じになりますので参考にしてください。

パワーウィンドウが動かない 不具合確認

パワーウィンドウが動かない不具合の確認をするときにまず確認するのは、ドアパネルの中でモータやレギュレータの作動音が聞こえるかどうかです。

スイッチ操作をしたときのドアパネル内の作動音を確認して、何かしらの作動音があるが、パワーウィンドウが動かないという不具合の場合はパワーウィンドウレギュレータ系統に不具合がある場合が多いです。

スイッチを操作した時に、なんの反応もない場合は、パワーウィンドウモーターかパワーウィンドウスイッチ系統に不具合があると考えられます。

今回の不具合の場合は、パワーウィンドウスイッチを操作しても助手席側ドアパネル内での作動音は聞こえませんでした。UPもDOWNも反応がありません。

運転席、助手席のスイッチ操作してどちらも症状は同じです。

話を聞くと、元々は上がったり、下がったりしないことがあったがそのまま使っていて、しばらくしたら完全に使えなくなったということでした。

ドアパネルからの作動音がまったくなかったので、パワーウィンドウモーターかパワーウィンドウスイッチに不具合があると判断しました。

ここから、パワーウィンドウモーターかパワーウィンドウスイッチのどちらに不具合があるのかを切り分けます。

パワーウィンドウが動かない 点検内容

ここからの点検には『サーキットテスタ』というテスター工具が必要となります。

自動車の電気系統の不具合の点検には必須の工具となります。

車の電圧測定や、配線の導通などの点検時に使用します。DIY整備でも活躍する場は多いです。特に配線加工などが好きな人には必要になると思います。あると作業がとても捗ります。

 

ドアパネルの内貼りをはがし、パワーウィンドウのコネクタを外します。

パワーウィンドウ コネクタ

ジムニーのものではありませんが、パワーウィンドウのコネクタは画像のような感じであると思います。複数の配線があるものはほとんどの場合太い2本の配線がモーターへつながる配線です。車種によってはプラスとマイナスの配線2本だけです。

このモーターへの端子にテスターをあて、パワーウィンドウスイッチを操作した時に電気が流れるかどうかを確認します。

正常であればUP、DOWNのスイッチ操作した時に12Vの電気が流れます。

正常に12Vの電気が流れている場合は、その先にあるモーターに不具合があると判断できます。

今回不具合が出ていたジムニーは、操作していないときにすでに12V電圧がかかっており、常にパワーウィンドウモータへ電気が流れてしまっている状態でした。なので、パワーウィンドウモータはかなりの高温になってしまっていました。

下げる操作を行うと端子の電圧測定値はOVでした。

明らかに異常です。

この様な不具合の場合、パワーウィンドウスイッチに不具合がある事が考えられます。操作をしていないときでも12Vの電圧がかかっていたことから、内部でショートが起きていると推測できます。

パワーウィンドウスイッチを外し、スイッチの単体点検を行います。

ジムニーのパワーウィンドウスイッチのシステム回路図です。

ジムニー PW 回路図

車のパワーウィンドウ回路図は大体同様な車もでも、こんな感じになっています。

ジムニー PW 配線図

こちらはジムニーのパワーウィンドウの配線図になります。

この二つをもとにスイッチの状態を点検していきます。

先ずは運転席側のパワーウィンドウスイッチから点検するといいと思います。理由は、運転席のスイッチが一番使用頻度が多いので、不具合が出る可能性が高いと考えられるからです。

ジムニー PW 端子配列

ジムニーの運転席側の端子配列です。

助手席側の回路点検を行います。

ロックスイッチがOFFの状態で測定した時の正常値。

上昇操作時 8-2と1-10に導通あり

非操作時  2-10と1-10に導通あり

加工操作時 8-1と2-10に導通あり

測定したところ、非操作状態で2-10間に導通がない状態で、非操作時にも関わらず8-2は導通がある状態でした。

また、ロックスイッチをオンにしたとき、通常であれば1-2間で導通がありますが、今回は導通がありませんでした。

以上の測定値から、運転席パワーウィンドウスイッチ内部で、助手席側の操作スイッチがショートしていると判断できます。助手席側のスイッチが常にUPの状態になっているということです。

通常であればこれで診断は終わりで、パワーウィンドウスイッチの交換となりますが、今回はパワーウィンドウスイッチの内部を分解してみました。

スイッチ内部

画像はスイッチ内部の助手席側のスイッチ部分です。青い丸のスイッチ部は正常です。

赤間丸のスイッチ部は下に垂れさがってしまっているのがわかると思います。銅板の根元から折れていて、常にのUP接点に接触してしまう状態になっていました。

このスイッチ部だけ直せればいいのですが、ここだけの部品とおいうのは出ませんので、パワーウィンドウスイッチASSYでの交換が必要になります。

パワーウィンドウスイッチの交換 費用

パワーウィンドウスイッチの交換は新しい物を取り付けるだけなので、とても簡単です。

運転席側パワーウィンドウスイッチを交換した場合、パワーウィンドウのオート機能が使えなくなる可能性があります。

その場合はオート機能の再セットが必要です。

パワーウィンドウを完全に下げるまで下げたら、そのまま下げの状態でスイッチを5秒ほど保持。次に完全に上げきったらそのまま上げの状態でスイッチを5秒ほど保持。

これで、オート機能が再度使えるようになるかと思います。

ジムニー PWS

ジムニーのパワーウィンドウスイッチは結構値段も高く、14000円ほどします。スズキ系の電装部品は値段が結構す傾向になります。

パワーウィンドウが動かない不具合 まとめ

パワーウィンドウが動かなくなった時に、完全に窓を閉めている状態で動かなくなった場合はまだいいのですが、中途半端に開いた状態で動かなくなると結構困ります。

基本的に、パワーウィンドウは手動で上げ下げすることが出来ませんので、早急に修理が必要になります。

昔ながらのクルクルハンドルは、故障もなく耐久性は最強クラスです。

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