馬力とトルクの違い エンジンの性能とは ~初級編~




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馬力とトルクの違い、  エンジンの性能、カタログ燃費の必要性などを初心者の方でもわかるように、なるべく簡単にまとめた記事です。エンジンの基本を知ることで、DIY整備に活かすことが出来ます。

またエンジンの性能やスペックの知識を身に着けることで、新しく車を購入するときにもその知識が役立ちます。

エンジンの役割と種類

先ずはエンジンの役割と、エンジンの種類について説明します。

エンジンの役割

自動車を動かすにはとても大きな力を必要とします。それは車自体がが重いことと、人や重い荷物を乗せて走らなければならないためです。

そしてその大きな力を生み出しているのがエンジンです。

また、自動車は坂道や高速道路など、いろいろな道を走らなければならないためドライバーがエンジンの力を自在にコントロールできる必要があります。

エンジン 走り

エンジンは動いている間はどんどん熱を持つのでそのままにしておくと熱でエンジンが壊れてしまいます。エンジンは長時間動き続けるためにエンジンを冷やす仕組みがあります。また、エンジンの力はエアコンなどの装置を作動させることにも利用されています。

しかし、こんな力があり、長時間回り続けることが出来るエンジンでも、自分自身ではエンジンを動かし始めることが出来ないため、始動時だけは外から力を加えて動かしてあげることが必要です。

自動車のエンジンの種類

エンジンは使用する燃料、方式などによりいくつかの種類に分類されます。また最近では燃料電池の自動車も市販化されるようになり、日本の道路で活躍しています。

・ガソリンエンジン

ガソリンを燃料とするエンジンを搭載した自動車。ガソリンエンジンは小型、軽量で高出力、さらに振動や騒音が少ないので乗用車に最も使われているエンジンです。

・ディーゼルエンジン

軽油を燃料とするエンジンを搭載した自動車。ディーゼルは燃料代が安く燃費も良いので経済的です。しかし振動、騒音、加速性などの面でガソリンエンジンに劣ります。トラックなどに多く用いられています。現在はクリーンディーゼルとして乗用車に用いられることも多くなりました。

・ハイブリッド

エンジンとモータの両方の動力をもつ自動車。エンジン、モーターそれぞれの良いところを効率的に使っているので燃費や加速性を向上させます。

・電気自動車

モータのみで走行する自動車。走行中排気ガスが出ないというのが何よりも特徴でとてもエコです。しかし、バッテリの大型化が必要になり、走行距離や、充電時間などの問題があります。現在どのメーカーからも最も注目されている動力だと思います。

・燃料自動車

水素を燃料として走行する自動車。実際に水素から化学反応を起こし、電気を取り出してモーターを回すことで走行しています。走行中に排出されるのは水だけなのでとてもエコです。一方、水素の安全な取り扱いや、水素スタンドのインフラ整備などの課題があります。

 

この様に使用する燃料や、方式などによっていくつか種類はありますが、当分の間はガソリンエンジンが乗用車で一番主流で使われていくでしょう。電気や水素など新しい技術は開発されてきていますがインフラやバッテリー問題があります。

エンジンの性能

ここではエンジンの性能、スペック表の基本的な見方や知識を身に着けましょう。

エンジンの性能は以下のような言葉で表されています。

・排気量:エンジンの大きさを表す数値です。リットルやccの単位が使われます。一般的にこの数値が大きいと、大きいエンジン=力が強いエンジンということになります。

・シリンダ数:小型車は4気筒のエンジンが主流です。軽自動車は3気筒、大型のエンジンになると6気筒かそれ以上の多気筒になります。

・ボア×ストローク:シリンダの直径(ボア)とピストンが動く距離(ストローク)をmmで表します。

・最高出力:エンジンが出せる最大の出力を表します。その出力が出せるエンジン回転数合わせて表記しています。単位はkWで表されていますが、昔ながらの馬力(PS)で表した方が車好きには断然伝わりやすいです。

・最大トルク:エンジンが出せる最大のトルクを表します。その出力が出せるエンジン回転数合わせて表記しています。単位はN・mで表されていますが、昔ながらのkgf・mの方が伝わりやすいかもしれません。

・燃料消費率:いわゆる燃費の事です。燃料1リットルあたりでどれだけの距離が走行できるかを表しています。カタログに記載されている燃費はモード燃費といい、国が定めた計測方法によって計測されています。

馬力(出力)とトルクの違い

初心者の頃はこの違いを理解するのが結構大変だと思います。何度も読み頭で整理することで理解が深まると思います。

馬力とトルクの違いをなるべくわかりやすく説明すると以下のようになります。

例えば、力のあるA君力のないB君がいくつかの荷物を運ぶとします。A君は力があるため一回で二個の荷物を運ぶことが出来ます。B君は力はありませんが、仕事が早いのでA君が一回運び終える間にひとつの荷物を二回運ぶことが出来ます。

これは、決められた時間に運べる荷物量は同じということになります。

運ぶ

エンジンのトルクとは、一回に運ぶことが出来る荷物の量、馬力(出力)とは、決められた時間内に運ぶことのできる荷物の量ということになります。

つまり、A君とB君はトルクは異なるが、出力は同じということになります。

馬力とトルクの違いって頭で理解するのがなかなか難しいですよね。

カタログ燃費と実燃費が異なる理由

カタログ燃費を記載する必要性について少し考えてみます。

「カタログの燃費より全然走らないんだけど」などという言葉は誰しもが耳にしたことがあるし、経験したことがあると思います。カタログ燃費なんて必要ないんじゃないかと思うかともいるかもしれません。

車 悩む お金

例えばカタログ燃費という決まりがないと、A社のカタログ燃費は市街地で計測したもの、B社のカタログ燃費は郊外路、C社は高速道路で計測した燃費を記載したとします。しかし、試験条件が違うのでどこの会社の燃費が良いか私たちは判断できなくなってしまいます。こういうことが起こらないためにも、カタログ燃費の記載は一定の条件を決めて試験をした数値を記載するようになっています。

なので実際の燃費とは走行条件が違うので差が生まれてしまうのです。

エンジンの性能 馬力とトルクの違いなどまとめ

エンジンの役割や、性能、スペックの見方についての知識をふかめていただけたでしょうか?

馬力とトルクの違いについてはなかなか難しいと思いますが、記事をよく読んで理解していただけたらうれしいです。相手に説明できるように頭の中で整理ができていれば完璧だと思います。

またカタログ燃費は私たち消費者側にとって重要だということもわかっていただけたと思います。

正しい知識をしっかりとつけて、DIY整備や車の購入などに役立てていただければ嬉しく思います。

 

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