ディスクブレーキ ローターの取り外し方法 サイドブレーキ隙間調整
自動車のディスクブレーキローターの取り外し方法を紹介します。
日本車のブレーキロータは外車に比べて減りにくいつくりになっています。
しかし、ブレーキロータも摩耗品ですので使用限度値を超えて摩耗したものは交換が必要となります。
また、ローターの取り外し方法は車種が違えど、ほとんどの車が同じような作業で取り外すことが出来ます。
この記事では、ロータの取り外し方法とサイドブレーキの隙間調整方法を詳しく紹介していきますので参考にしていただければと思います。
ブレーキパッドの交換方法については別記事で詳しく紹介しているのでそちらを参考にしてください。
ブレーキロータの使用限度と交換時期
ブレーキロータはブレーキパッドに比べて摩耗するスピードは遅いです。
とはいっても少しずつですが確実に摩耗はしていますので限度値が来たものに関しては交換が必要となります。
交換の目安としては、新品の状態から片側1mm摩耗したら交換の目安といわれています。これはロータを作っているメーカによって様々あるので一概には言えないのですが、片側1mmを一つの目安として覚えておきましょう。
そのほか、異常摩耗やブレーキ熱などによるクラックが入っている場合は交換となります。
ブレーキロータの摩耗量が多い物をそのまま使用し続けると、ブレーキ時の異音や制動力の低下、ブレーキング時のハンドルのブレなどの不具合を引き起こす恐れがあります。
ブレーキロータの取り外し方法
ブレーキロータの取り外し方法はそれほど難しくはなく、ほとんどの車種がボルト2本を外すことで取り外し可能です。
フロントブレーキとリヤブレーキでは途中から作業手順が異なりますので注意してください。
リヤブレーキはインナードラム式のサイドブレーキが内蔵されているものが多いので、その分手順が多くなります。
・キャリパーサポートの取り外し
ブレーキキャリパーサポートごと取り外していきます。
赤い矢印がキャリパーサポートです。
ほとんどの車種が画像の赤い丸の様に14mmか17mmのボルトでしまっているかと思います。
このときブレーキホースは切らないでください。
取り外したキャリパーサポートは上の方の安定する場所に置いておきます。
・ブレーキディスクロータの取り外し フロントブレーキ編
キャリパーサポートが外れるとブレーキディスクを取り外せる状態になります。
先ずはハブとディスクの部分に556などの潤滑スプレーを吹いて錆の固着を外します。
赤い矢印がさしている円の部分にスプレーをさしてください。
後はハンマーでハブボルトをよけるようにコンコンたたくことで固着が取れて来て、ディスクロータが外れます。
このとき、ロータを再使用する場合はパッドが当たる面はたたいてはいけません。
それでも錆が外れない場合はボルトを二本使用することにより外すことが出来ます。
画像のようにボルトを均等に締め込んでいきます。そうすることでローターが少しずつ押し出される仕組みになっています。交互に均等に締め込んでいくのがポイントです。
・ブレーキディスクロータの取り外し リヤブレーキ編
リヤブレーキのロータの内部にはサイドブレーキのためのライニングが内蔵されています。
画像はリヤのディスクブレーキローターが外れたものです。
構造的にはドラムブレーキとほとんど同じです。
リヤのサイドブレーキがインナードラム式の場合はこのような構造になっているため、まずはライニングを縮めてやる必要があります。
ライニングを縮めるにはゴムのキャップを取り外します。
画像の矢印のゴムキャップが真下にくる位置にして外してください。
次にマイナスドライバーを使用して、キャップを外した穴からドラムの内部にあるアジャスターを回してライニングを縮めます。
このイラストのような感じで縮めましょう。ほとんどの車種で上の矢印方向に動かすと収納となっていますが、車種によっては逆の場合もあるので注意してください。
5コマ分ほど縮めれば十分です。
後はフロントディスクロータと同じ要領で取り外しください。
サイドブレーキの隙間調整方法
リヤのブレーキロータを取り付ける際には、新品の物だろがそのまま同じものを使用するときだろうが同じようにサイドブレーキの隙間調整が必要です。
サイドブレーキの隙間調整をしっかり行えていない状態だと、サイドブレーキの制動力が足らなくなったり、タイヤがロックしてしまう原因になり大変危険です。正しい方法で調整するようにしましょう。
サイドブレーキの隙間調整はゴムキャップが付いている穴から行います。
ディスクロータを取り付けたら、ホールナットを2つ取り付けて、ロータがガタつかないようにします。
ライニングを縮めたのとは逆の方向にアジャスターを動かします。
この画像でいう下矢印方向に動かします。
収縮と逆に動かすとライニングがドラム内側に向かって開いていき、最後は当たってロックします。(それ以上アジャスターが回らなくなる)
ロックをしたところから今度は収縮方向にアジャスターを動かします。
このとき動かす量は、5~7コマを目安にしてください。実際にサイドブレーキを引いて十分にブレーキがかかることの確認と、サイドを下してハブを回した時スムーズに回ることを確認しながら調整します。
ここの調整はとても重要になるので慎重に作業をしましょう。
後は外した時とは逆の手順で組み付けていけば作業完了です。
まとめ
ディスクロータの取り外しはフロントはかなり簡単に行うことが出来ます。
リヤのブレーキがインナードラム式のサイドブレーキの場合はちょっと大変かもしれません。
最近ではブレーキピストンをワイヤーで作動させサイドブレーキとして使用する構造のものもあります。この場合インナードラムの構造はありませんのでフロントブレーキの時と同じ要領で取り外すことが出来ます。
ディスクロータを取り外す際の注意点をしっかりと理解し作業を行うことが大切です。
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