車のブレーキフルードの交換時期と交換手順 DIY整備
自動車のブレーキフルードは定期交換部品となっております。
自動車のブレーキフルードの交換は、エンジンオイルなどの交換よりは若干難易度が高めですが、しっかりと知識を身につけることでDIY整備でも交換することが出来ます。
この記事では、ブレーキフルードの交換時期や、DIY整備のブレーキフルード交換方法を紹介していきます。
また、トヨタハイブリッド車のブレーキフルード交換方法は要領が異なります。
別の記事に交換方法をまとめていますので、参考にして下さい。
このページの目次
ブレーキフルードに交換時期と交換の必要性
ブレーキフルードは定期交換部品となっています。
交換時期については基本的にエンジンオイルなどのような走行距離などは関係なく、
『2年に一度交換』
となっております。
なので、車検整備の時に交換するのがベストタイミングなので、その時期に一緒に交換することが多いです。
ブレーキフルードは2年間でも結構劣化します。
上の画像は左が2年使用、右が新品のブレーキフルードですが、違いは見てのとおりです。茶色くなった分だけ劣化しているといえます。
ブレ―キフルード 交換の必要性
ブレーキフルードを長期間交換しないままだと、フルードが劣化し少しずつ水分を吸収していきます。
ブレーキというのは通常ペダルを踏んだ力がフルード介して、ブレーキ本体に油圧がかかりブレーキがかかる仕組みです。
ブレーキフルードを長期間交換しないと、フルードに吸収された水分がブレーキ熱により沸騰して、ブレーキラインに気泡が発生し、ペダルを踏んでも気泡が圧縮されてしまいブレーキが利かなくなる現象が起こる恐れがあります。
これを『べーパーロック現象』といいます。
この様な現象の発生を防ぐためにもブレーキフルードの定期的な交換が必要です。
ブレーキフルードの交換に必要なツールとフルード缶
ブレーキフルードの交換にはブレーキフルード受けるためのタンクが必要です。
こんな感じで、エアで負圧を利用して交換す専用のツールがあります。
しかし、DIY整備にこのような専用ツールは不要です。
ブレーキフルードを受けるためのタンクは簡単に自作可能です。
こんな感じで「ペットボトル」「内径5mm耐油ホース30cm」「ロックバンド」を用意します。
ペットボトルのキャップに穴をあけ、ホースを通し、抜け防止にロックバンドを取り付けます。
キャップをもとに戻せばこんな感じのブレーキフルード受けタンクの完成です。
耐油ホースは大きいホームセンターに行けば10cm単位で売っているので、およそ100円ほどで自作完了です。
『フルード缶』
ブレーキフルードは500mlあれば十分です。私はいつもトヨタ純正のブレーキフルードを使用しています。トヨタ純正だからといって、日産やホンダ、ススキなど他のメーカーで使用しても何の問題もありません。
その他、ブリーダプラグを緩めるための8-10mmのメガネレンチが必要です。
出来れば車は4輪上げた状態でタイヤを外し作業したほうが効率がいいので、ガレージジャッキやウマがあるといいです。
ブレーキフルード交換作業
車のブレーキフルード交換の際は通常2人で作業をした方が良いです。ブレーキペダルを踏む人と、ブリーダプラグを緩める人に分かれて作業するようにしましょう。
車両をウマにかけ、4輪タイヤを外した状態にします。
タイヤを外すと、下の画像のようなゴムキャップのついたブリーダプラグが見えます。
ディスクブレーキブリーダプラグ。
ドラムブレーキブリーダプラグ。
赤丸部がブレーキフルードを抜くためのブリーダプラグです。
ブレーキフルードの缶をブレーキフルードリザーバータンクにセットします。
リザーバタンクの中にあみのようなものが入っている場合があります。取れる場合は取り外しておきましょう。
このときにポイントですが、上の画像の赤丸部の様にフルード缶の上の部分をハンマーなどでたたきへこましておきます。
こうすることで、フルード缶をリザーバーに立てたときの空気穴ができ、フルードがスムーズにリザーバに流れるようになるのでエアかみなどを防ぎます。
フルード缶を立てる時、カウルトップなどに干渉して缶が安定しないときは、画像の様にマスキングテープなどで固定しましょう。
ブレーキフルードの交換はリザーバーが常にフルードで満たされた状態で行うのですが、フルード缶を立てることで、いちいち足さなくてもフルードが満たされた状態を作ることが出来ます。
万が一フルードをこぼしてしまった場合は大量の水で洗い流します。ブレーキフルードは塗装を浸食するので、直ちに洗い流すようにしましょう。
ブレーキフルード交換作業要領
ブレーキフルードを抜くときは通常、ブレーキマスターシリンダーから一番遠いところから抜いていきます。
なので、日本車の場合は、左リヤ→右リヤ→左フロント→右フロントの順で抜いていきます。
一人は運転席に乗り込み、ブレーキペダルを踏む用意をします。
もう一人はフルード受けタンクを左リヤブリーダプラグにセットします。
画像の様にセットしたら、ブリーダキャップを緩めます。
キャップを緩めたら、運転性の人に「ブレーキペダルをぺダリングして」と声をかけます。
運転席の人は、ブレーキペダルを底に着くまで何回もぺダリングします。ブリーダプラグが緩んでいるので、いつもよりペダルが奥に入るはずです。
ぺダリングするごとにブレーキフルードが抜けて来ると思います。
ブレーキペダルを奥まで踏み込む、放すを10回ほど繰り返します。
外にいる人はブレーキフルードが抜けている事をしっかりと確認しましょう。また、時々リザーバタンクを確認してフルードが満たされた状態であることを確認しましょう。
ブレーキフルードがきれいな色に変わるまで行いたいところですが、なかなか色が分かりずらいと思います。なので10回以上ぺダリングを行えば、ブレーキラインのオイルは新油になるので目安にしてください。
そしたら一度ブリーダプラグを締めます。
プラグを締めた状態で、運転席の人にブレーキペダルを5回ぺダリングしてもらい最後ペダルを踏んだままにしてもらいます。
ペダルを踏んだままにしたら、ブリーダプラグを再度緩めます、緩めるとフルードが出てくるので瞬時にブリーダを締めます。
これを3回ほど繰り返します。
最後にこの緩めてすぐ締めるという動作を行う事で、ブレーキラインのエアかみを防ぎます。
同じ要領で、右リヤ→左フロント→右フロントの順でブレーキフルードの交換を行いましょう。
フロントの方がブレーキラインが短い分すぐに新油に切り替わります。
最後にフルード缶を取り外しリザーバタンクの液量を調整します。
リザーバタンクのMAXラインに液面が来るように、余分なフルードを上からスポイトなどで吸うか、ブリーダの方から抜いて調整を行いましょう。
以上でフルードの交換作業は終了です。ブリーダの締め付けの確認と、ゴムキャップをつけ忘れないようにしましょう。
まとめ
ブレーキフルードの交換はエンジンオイルの交換などよりは難しい作業になりますが、しっかりと作業要領を理解して行えばDIYでも行う事が可能です。
ブレーキ関係の部品は車の中でも最も大切なパーツのひとつです。
特にユーザー車検などを行っている人は、この記事を参考にしていただき、ブレーキフルードの交換を定期的に行うようにしましょう。
また、トヨタハイブリッド車のブレーキフルード交換方法は要領が異なります。
別の記事に交換方法をまとめていますので、参考にして下さい。
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