アイドリングが不安定 信号待ちでエンストなどはスロットルボディ清掃で解決
アイドリングが不安定で異常に回転数が低く、エンジンがブルブル震える。
信号待ちなどでエンストをしてしまうなどの症状の原因と対策方法をまとめた記事です。
このアイドリングが低いという症状は、様々な要因が考えられますが電子制御スロットルの車両すべてに起こりうる現象です。
また、走行距離数が多くなってきた車などで起こりやすい現象です。
バッテリーを交換した際にもこのような症状がでる場合があります。
この記事では電子制御スロットルが原因で起こるアイドリング回転数の低下や、エンジンの振動、エンストのなどの症状の原因を詳ししく説明します。
また、このような症状が発生した場合の、DIY作業でできる改善対策方法を紹介していきます。
このページの目次
電子制御スロットバルブとは
スロットルバルブという部品の機能について簡単に説明します。
エンジンはかかっている状態の時は絶えず空気を吸入しています。
吸入した空気量に対して適切な燃料を噴射することで、混合気を作りスパークプラグで点火を行い燃焼をさせています。
スロットルバルブというのは吸入する空気の量を制御している部品です。
画像の赤丸部はスロットルバルブを外から見たものになります。
エンジンの種類によってついている位置はさまざまです。
画像はスロットルバルブのホースを外した状態で、バルブが閉じているときの画像です。
上の画像がスロットルバルブが開いているときの画像です。工具で強制的に開いています。
このバルブはアクセルペダルの踏み込み量に対して開くようになってます。アクセルを踏み込むほどバルブは開きます。
昔の車はアクセルとスロットルが金属のワイヤーでつながっていましたが、最近のほぼすべての車がこれをセンサー類で電気的に制御してモーターで動かしています。
これを電子制御スロットル、またはアクセルバイワイヤ制御といいます。
バルブの開きを大きくすれば(アクセルペダルを踏み込む)多くの空気を吸入するのでエンジンの回転数も高くなり、バルブの開きを絞れば(アクセルペダルを放す)吸入空気は少なくなりエンジンの回転数は低くなります。
エンジンのアイドリング状態は、回転数が700回転くらいですので、バルブの開き具合は、コンピュータによって最小限に制御されています。
ここが今回のアイドリングが低くなる不具合のポイントになります。
スロットルバルブの汚れによるアイドリング不調
エンジンというのは特性上エンジンがかかっている状態では、ススやカーボンといわれるものが発生しています。
このススやカーボンはスロットルバルブの周りなどに少しずつ付着していき、空気の通り道を狭くしていきます。
そのままススなどの蓄積量が多くなると空気の通り道が狭くなり、アイドリング回転に必要な空気量が足りなくなってしまうので、コンピューターがスロットルバルブの開き具合を大きくする方向に動かして、一定のアイドリング回転数になるように制御します。
この制御は電子制御スロットルバルブ搭載車の場合は、コンピュータが学習して自動的に制御を行っていきます。
スロットルバルブの開き具合を学習した値をスロットルバルブの学習値といいます。
しかし、車の制御にも限界があり、この通路に汚れがたまりすぎてくると車の制御だけでは追いつけなくなります。
次第にアイドリング時の吸入空気量が足りなくなり、アイドリングの回転数が保てず低くなり、エンジンの振動につながり、その状態が進むとエンストを起こしたりします。
赤い矢印の淵の部分に汚れがたまっていきます。
スロットルバルブの汚れは距離数を乗っているものほどたまりやすい傾向にあり、雪だるま式に汚れはたまっていきます。
なので、アイドリングの回転数が低くなりエンジンの振動が大きくなったり、信号待ちなどでエンストをしてしまうようになった場合は、スロットルバルブの清掃作業を行うことで症状が改善されます。
バッテリーなどを取り外した際は、コンピュータへの電源が断たれた状態になり、スロットルバルブの学習値がリセットされてしまいます。
学習値がリセットされてしまうと、今まで汚れがたまった状態を学習して制御していたものがすべてリセットされた状態になるので、アイドリング不調などの不具合が起こる場合があります。
スロットルバルブの清掃作業
スロットルバルブの清掃作業はそれほど難しい作業ではありませんが、車種によって難易度が異なります。
DIYで簡単にできるものが多いですが、車種によってはなかなか難し場合もあります。
今回作業したエンジンはトヨタの1AZというエンジンになります。ちなみにこのエンジンは構造上スロットルに汚れがたまりやすいです。
スロットルバルブの清掃はスロットルバルブのついている位置がエンジンによって違うだけで、基本的な作業の仕方は同じですのでDIYで作業を行う際などに参考にしてください。
スロットルバルブの清掃を行う際は、スロットルバルブについてるインレットホース類を取り外して、バルブが見える状態にする必要があります。
この様にバルブが見える状態になったら、専用のクリーナーで綺麗にしていきます。
今回使用したクリーナーがこちらです。
こちらのクリーナーはスプレーすると、泡状になるタイプのものでススやカーボンを強力に落としてくれるクリーナです。スロットル清掃を行う際はお勧めのクリーナーです。
これをスロットルバルブにスプレーします。
こんな感じで、バルブ全体が泡に浸るようにスプレーします。
スプレーしたら布ウエスなどで汚れを拭き取っていきます。
スロットルバルブはIG ONの状態でアクセルペダルを踏むと、開くものと開かないものがあります。エンジンによって違います。
開くタイプエンジンはアクセルペダルにおもりなどを載せて全開にした状態で行います。
開かないタイプのエンジンは工具などを使って強制的に開いた状態にして清掃を行います。
私はこのようにメガネレンチを使用して開いています。ドライバーなどの鋭利なものは通路に傷をつける恐れがあるので使わない方がいいと思います。
ちょこっと拭いただけでもこのように汚れが落ちてきます。時々スプレーをしながらこれを綺麗に拭き上げていきます。
とくにバルブのヘリの部分にたまりやすいので念入りに拭いてください。
綺麗に拭くことが出来れば清掃作業は終了です。ホース類を元に戻してください。
スロットルバルブの清掃が終わったら必ずエンジンECUのリセット作業を行います。
エンジンECUのリセット作業について
エンジンECUのリセット作業とは、上で紹介したエンジンの学習値をリセットする作業です。
この作業はスロットルの清掃作業と必ずセットで行うようにしましょう。
この作業を行わないと、スルットルボディを清掃した後に以上にエンジンの回転数が高くなってしまいます。
エンジンの回転数が高くなる理由としては、それまで汚れがたまっていたスロットバルブの開度をエンジンECUが学習し制御していたものが、汚れを綺麗にしたことで、アイドリング時の空気の通りが急によくなり回転数が上がります。
急に変わったことでエンジンECUの学習機能が追い付かないために起こります。
エンジンECUのリセットを行うことで学習値を初期値に一度戻します。
やり方は簡単です。あるヒューズを抜くだけです。
エンジンルームのヒューズボックスを確認してください。大体どのエンジンも助手席側の方にあると思います。
ヒューズボックスの蓋を外すと、ヒューズの名称が書いてあります。
見えずらいかもしれませんが、抜くヒューズは画像赤丸部の二つです。
『EFI 20A』
『ETCS 10A』
このヒューズを抜いて60秒ほど放置したら、ヒューズをもとに戻して下ださい。
これでエンジンECUの初期化は終わりました。
この後エンジンECUの初期学習をさせるために30分ほどいつも通りの走行を行えば、エンジンンECUのリセット作業は終了です。
このエンジンECUのリセット作業はトヨタ車の方法になります。各メーカーによって方法が異なる場合があるので確認してから行いましょう。
アイドリングが低い不具合 まとめ
エンジンのアイドリングが低いなどの不具合が起きた場合、エンジンのチェックランプなど特別な異常がなければ、スロットルバルブの汚れによる原因の場合が多いです。
スロットルの清掃を行っても症状がよくならない場合は、ほかの原因が考えられます。
スロットルバルブの清掃は比較的簡単に行えますので、アイドリング不調などの現象が出ている車に対してはまず、清掃作業をやってみるといいと思います。
そうすることで、不具合の切り分けにもつなげていくことが出来ます。
この記事へのコメント
有難う御座います