エアコン効きが悪い ワゴンR ガス漏れ修理 エバポレータ交換作業
23年式のワゴンRのエアコン効き不良の修理内容をまとめた記事になります。
この年式のスズキ車はエアコンガス漏れの不具合が多発しており、特に今回紹介する『エバポレータ』という部品から漏れてしまうことが多くなっています。
エバポレータの交換は車内のパネルやダッシュボードをほとんどすべて外さないとアクセスできない部品です。
そのためDIY整備としては難易度は高めですが、時間をかければ意外と出来る作業です。
この記事ではエバポ交換の要点をいくつかまとめていきますので、参考にしていただければ幸いです。
社外製エバポレータ
ここでエバポレータの部品を紹介します。
エバポレータとは簡単に言うと、エアコンの風を冷やす部分です。
冷媒サイクルの作用でエバポレータ自体が冷たくなり、エバポレータについているたくさんのフィンのすき間を通った風が冷やされて、吹き出し口から出てきます。
エバポレータは社外製のものが流通しています。
社外品といっても、性能は純正品のものと変わりません。
しかも純正のものに比べて値段が安く仕入れられるメリットがあります。
エアコンガスが漏れてしまった車両の多くは年式が古くなってきているものが多いかと思います。
あまりお金をかけないで修理をしたいと思いますので社外製エバポレータを使用することをおすすめします。
ネットで探せばほとんどの車種で社外品が用意されています。
中にはエキスパンションバルブという部品もセットでついているものもあります。通称エキパン。
エキパンはエバポを外す時じゃないとはずせないものもあるので、できれば同時に交換しておきたいところです。
エバポレータ交換手順 エアコンユニット取り外し
エバポレータを外すのに、エアコンユニットを取り外します。
エアコンユニットを取り外す為、あらかじめ冷却水とエアコンガスを抜きます。
ヒーターホースとエアコン配管をエンジンルームのバルクヘッドから切り離しておきます。
エアコンユニットは助手席側の奥にあります。これはほぼすべての車がそうです。
グローブボックスを外した時にエアコンフィルタがついているところが見えると思ますが、それがエアコンユニットです。
スペースがかなり狭いため、フロントパネルをほぼ全て外しダッシュボードを浮かせながら取り外します。
ステアリングは車両から取り外す必要はなく、12mmのボルトナットを4本外したら、足元に寝かせておきます。
手動式のエアコンユニットは温度調整のワイヤーとモード切替のワイヤーがつながっています。
ワイヤーを外す際はエアコンユニット側から外すと作業がしやすいです。
運転席の足元を確認するとワイヤーが見えると思います。
ダッシュボードを浮かせるにはリーンホースメントの固定しているボルトを外す必要があります。
ドアを開けたところにある12mmの黒いボルトがリーンホースメントを固定しているボルトです。
ダッシュボードを浮かせられる状態にしたら、エアコンユニットを取り外します。
エアコンユニットは室内側が4本のボルトナット、エンジンルームから1本のナットで固定されています。
エンジンルーム側が忘れがちなので、忘れずしっかり外しましょう。
エアコンユニットがフリーになったらあとは、リーンホースメントごとダッシュボードを持ち上げて隙間を作って取り外します。
出来ればここは二人で作業したいところ。何とか一人でもいけました。
ヒーターコアに残った冷却水が漏れ出てくる可能性があるので注意してください。
取り外したエアコンユニットです。思ってたよりでかいです。
取り外した助手席を見ると、個々のスペースはほぼエアコンユニットに使われているというのが分かります。
エバポレータ取り外し
エアコンユニットが外れたら、エバポレータを取り出します。
エアコンユニットのビズネジを取り外し、ユニットを半分に勝ち割ります。
エキパンを取り外す際は、半分に勝ち割る前に六角ボルトを緩めておきましょう。
エバポ単体で行うと配管が曲がり力が逃げてしまいます。
これでやっとエバポレータを取り外すことが出来ます。
エバポレ―タの下部には、エアコンオイルが染みついておりガスが漏れたということが確認できます。
通常漏れをおこしてなければオイルが付着することはありません
社外品のエバポにはクッションシールはついてこないので、古いのからなるべく綺麗にはがして両面テープで貼りつけ再使用します。
後はものと手順で戻していきます。
エアコン配管の接続部パッキンにはエアコンオイルを少し塗って接続するようにします。そうすることで、初期なじみが良くなりパッキンのかじりを防止します。
エアコンガス補充 真空引き
エアコン系の修理を行った際は真空引きによるエアコンガスの補充が必要となります。
真空ポンプを使ってサイクル内を真空状態にします。
真空状態にすることでサイクル内の水分を除去します。
サイクル内に水分が残っていると、凍結して冷え不良の原因となります。
また、真空が保たれることを確認することで漏れの確認にもなります。真空が保たれないということは、まだどこかしら漏れているといえます。
エアコンガスの補充方法については別記事で詳しくまとめます。
また、冷却水のエア抜き作業も必要となります。
冷却水のエア抜き作業に関してはこちらの記事で詳しくまとめています。
まとめ
この年式のスズキ車はエバポレータからのガス漏れが多発しており、スズキ側もこの不具合を認め、保証延長になっています。
通常3年のところ初度登録から9年間は無償で修理してもらえます。
9年を過ぎてしまった車両に関しては保証は一切効かず、有償となります。
有償での修理は高額になってしまいますが、DIYで作業すれば工賃分を大幅に節約することが出来ます。
真空ポンプが必要だったりDIY作業としては難易度が高めですが、仕上げのガス補充だけ車屋にお願いして補充してもらうなどのやり方もいいかもしれません。
大掛かりな作業の分、達成感もかなりある作業です。エアコンユニットを外して普段見ることのない車の部分を見ることができるので、愛車への愛着もさらに湧くのではないでしょうか。