ViO30 全操作不能 カットオフソレノイドヒューズショート 修理
ヤンマー製のバックホウ、ViO30-5型の全操作不能になってしまった症状の修理をまとめた記事です。
エンジンは問題なくかかるが安全レバーを下げてもすべての操作が出来ない状態です。
このページの目次
故障探求 トラブルシュート
全操作が出来ない原因を探っていきます。
バックホウは左の安全レバーを下げるとこで、パイロットホースの油圧を管理するおおもとの「カットオフソレノイドバルブ」を動かします。
カットオフソレノイドバルブが動くことによって、レバー類にパイロットの油圧がかかり操作が出来るようになります。
ヤンマーのミニユンボは安全レバーがさゆうにあります。
左の安全レバースイッチを通って右の安全レバーのスイッチを通り、ソレノイドを動かします。
右の安全レバーに電圧が来ているかを点検します。
結果は0V。端子にコネクタにクリップを挿し短絡させてみるが、もちろん動きません。
次に左側の安全レバーの電源を点検します。
結果は0V。
点検の結果から安全レバーに来るはずの電源が来ていないことが分かりました。
次にヒューズボックスのヒューズを確認してみます。
ヒューズの一覧を確認すると「カットオフバルブ」と書かれたヒューズがあるのが分かります。
このヒューズを確認すると、ヒューズが切れていました。
ヒューズを交換して安全レバーを下げると、ユンボを操作することが出来るようになりました。
前日雨が降っていたこともあり、その影響で過電流が流れヒューズが切れたものと予想し、しばらく作業しているとまたユンボが動かなくなりました。
サイドヒューズを交換し、安全レバーを下げた瞬間同じヒューズ切れるのを確認できました。
ここからいよいよ本格的な修理が必要になります・・・。
電源のショートの修理は気合と根気の作業です。ひたすらショート箇所を探すしか方法はありません。
該当ヒューズに関連する電装部品のコネクタを外しながら、ヒューズが切れ状況を再現してヒューズが切れるか切れないかを確認していきます。
コネクタを外した後ヒューズが切れれば外した部品は正常。ヒューズが切れなければ外した部品に何らかの原因があると考えられます。
後はひたすら外しては再現、外しては再現をしていきます。
カットオフソレノイドは経年劣化で内部抵抗が多くなり過電流が流れるなどの不具合が起きる場合がありますが、今回その線はなさそうです。
関連すると思われる部品のコネクタを外し終えてもヒューズは切れてしまいます。
そうなると原因はワイヤーハーネスの短絡が考えられます。
苦労の末やっと見つけたのが、ヒューズリレーボックスからメーターの方に行くメインハーネスでした。
20本くらい束になったメインハーネスがボディに固定されており、そこを手でボディ側に押すとバチッとヒューズが飛ぶのが確認できました。
外観を確認しても見た目ではどこがショートしているのかはよくわかりません。
このハーネスを剥いて一本一本確認していくのは大変で時間もかかり、修理費用も大きくなってしまうので、今回はメインハーネスにゴムホースを巻いて養生することにしました。
ゴムホースを巻くことでボディに接触しても、ショートすることが無くなります。
その後はいくら操作をしても、配線を触ったりしてもヒューズが飛ぶことはありませんでした。
修理完了です。
まとめ
今回のような配線ショートの修理は、本当に根気のいる作業です。
この修理でヒューズを20個近くふっとばしました。
ヒューズを無駄にしない修理道具を作製する必要があるなと思いました。
電球などで作っている人がいるので参考にして作ってみたいと思います。
ヒューズが飛ぶということはどこかしらに必ず原因があるので、あきらめずに探すことが大切だと思います。
後は経験と勘でショートしていそうなところを探し出すことですね。