エアバック警告灯点灯 原因と対策方法
エアバック警告灯が点灯したという車両の修理内容をまとめています。
車種はトヨタ ランドクルーザー 100系シグナスになります。
車種が違う車の場合も故障探求や方法は同じ事が出来ると思うので参考にしてみてください。
エアバックの警告灯は点灯しても車自体はいつも通り走行は可能です。
しかし、エアバック関係の部品に何らかの異常が発生していることは明らかですので修理や対策が必要になります。
エアバック関係の修理は高額になることが多いです。
今回の場合修理代が高額になりそうだったので、通常の修理ではないちょっと特殊な方法で対策を行ったので紹介していきます。
エアバック警告灯故障探求
エアバックの警告灯が点灯した場合は、故障診断機をかけてダイアグノーシスというエラーコードを読み取る必要があります。
今回のエラーコードは
『B1030 フロントプリテンショナーRH点火回路』
というものでした。
今回異常が出ているプリテンショナーとはプリテンショナー式シートベルトに使われている部品です。
【プリテンショナー式シートベルトとは、自動車の衝突時にシートベルトの帯のたるみをとり除くことにより、乗員が前方に動き出す前に確実に座席に固定し、乗員の保護性能を向上する目的で装備されている機構の事です。(ウィキペディアより引用)】
全ての車についているわけではありませんが、比較的高級車などには搭載されることが多い機構です。
フロントRHなので運転席のプリテンショナー関連部品に何らかの不具合が発生したため、今回のようにエアバック警告灯が点灯したということになります。
・プリテンショナー本体の故障
・エアバックコンピュータの故障
・プリテンショナーとエアバックをつなぐ配線の不具合
この3つが考えられます。配線の不具合は配線などをいじっていない限りは切れたりする可能性は限りなく低いと思います。
この故障個所は運転席エアバックや、助手席エアバックなどの故障の際でも同じ考え方です。
プリテンショナーの部品はピラーを外した、シートベルトの根元になります。
黄色い配線が来ていると思います。
故障探求の最も簡単なやり方は、この黄色い配線を外してコネクタにクリップなどをさしてコネクタ間を短絡させます。
この状態で一度ダイアグコードを削除します。
エアバックの警告灯が消えたら、プリテンショナー側に不具合があると考えられます。
消えなかった場合、エアバックコンピュータか、間の配線に不具合があると考えられます。
今回の車両はこの状態でダイアグコードが消えたのでプリテンショナーに不具合があることが分かりました。
プリテンショナーの不具合は基本的に部品ASSY交換になります。
しかし、この部品がかなりの高額で38,000円ほどしてしまいます。
なので今回はある特殊な方法で対策することにしたので紹介します。
エアバック警告灯が点灯した際の対策方法
この対策方法は安価に対策することが出来ますが、この方法だと対策したところのエアバックの機構は作動しなくなるので注意してください。
やり方は簡単で、故障探求の時に行ったコネクタ間に抵抗を割り込ませるだけです。
使用する抵抗体は『2.2Ω 1W』の抵抗になります。
配線を半田付けし、熱縮チューブを使って上の画像のような形に加工します。
こちらを先ほどの黄色い配線に割りこませていきます。
割り込ませる際に配線の加工が必要ないように、エレクトロタップを使用しました。
やり方を説明します。
プリテンショナーのコネクターを外します。
エレクトロタップを取り付けるためコルゲートチューブを少し剥きます
エレクトロタップを使い上の画像のような状態に配線することで、抵抗を割り込ませることが出来ます。
ダイアグコードを削除しエアバック警告灯が点灯しなくなることを確認してください。
抵抗体は他の配線とタイラップなどを使用し固定します。
念のためコネクタの差込口に短絡防止のビニールテープなどを貼っておきましょう。
これで、作業は終了です。
まとめ
この方法でなぜエアバック警告灯が消えるかというと、エアバック装置の内部抵抗と2.2Ω抵抗体の値が同じなので、エアバックコンピューターは装置正常と判断するためです。
今回の場合車の年式もそれなりのもので、この部分にそこまでお金をかけたくないということだったので、このような形で対策を行いました。
万が一の事故の際運転席のプリテンショナーは作動しませんが、そのほかのエアバックが作動しなくなるということはありません。
あまりお金をかけずに直したい場合はこのような方法をとるのもありだと思うの参考にしてみてください。
また、ステアリングなどを社外の物に交換した際などは、エアバック警告灯が点灯してしまうため、今回紹介した方法で対策することが出来ます。