マフラー排気漏れ修理 ガス溶接作業
マフラーの触媒の後ろのパイプがさびて腐ってしまい、完全に真っ二つになってしまったマフラーをガス溶接でつなげて修理します。
画像のような状態で、排気漏れというよりはもはや、直管に近い状態ですね。
マフラーなどの薄い鉄板を溶接するのには、ガス溶接が適しています。ガス溶接の場合鉄がじっくり溶けていくからです。電気溶接だと溶けるスピードが速すぎて難しいです。
私自身、溶接は素人で見様見真似で行っているだけですので、お手本にはならないかもしれませんが、こんな感じで溶接するんだなという参考程度に読んでいただけたらと思います。
ガス溶接をするための準備
ガス溶接を行うには、「トーチ」と呼ばれる道具が必要です。
ガスはアセチレンガスと酸素を使って溶接作業を行います。
ガスでマフラーをあぶって溶けてきたところに溶接棒をさして肉盛りしていく流れになります。今回使用した溶接棒は半自動溶接機と呼ばれる溶接棒を代用して使いましたが、本来ガス溶接用の溶接棒があります。
これだけの道具やガスボンベを個人で用意すのは正直結構大変だと思います。
マフラー穴埋め作業
本来ガス溶接をする際は、車体からマフラーを外して行うべきです。しかしマフラーに穴が開くほどの古い車両はマフラーを止めているボルトやナットがサビサビでとれない事が多いです。
見ての通りこの車両も例にもれずサビサビで外れそうになかったので、車体にとりついたまま行うことにしました。
寝転がりながらの作業になるのでかなりしんどいです。
まずはマフラー同士の位置を合わせたら点付けをします。これでマフラーがひとまずつながった状態となり、この位置を基準に溶接をしていきます。
一か所点付けをしておけば、固定されます。
マフラーの溶接作業をしていくにあたって重要なのは、ガスの火力の強さです。
マフラーのパイプ自体は結構薄めの鉄でできているので、火力が強すぎるとあっという間に溶け落ちてしまいます。
穴を埋めるどころかどんどん穴を広げていってしまいます。
なのでガスの火力は弱くしてじっくりと溶かしていくようにします。
ガス溶接は一気に溶かそうとせずじっくりじっくり母材が溶けるのを待つように作業するときれいにくっつくきます。
じっくり少しづつくっつけていきます。
母材が溶けてきたところを専門用語で池と言ったりします。この池をしっかり作ってそこに溶接棒を指していくことで、しっかりとした溶接ができます。
慌てて溶接棒をさしていると、くっついているようでも母材まで溶け込んでいないので表面にかぶさっているだけになってしまいます。
なので母材が溶けて池ができるのをじっくりじっくり待つことが大切です。
溶接が終わったら、エンジンをかけ溶接した部分に手をかざしてみてください。全周にわたって排気の圧が手に伝わってこなければしっかりと溶接できた証拠です。
マフラーの穴埋め修理 まとめ
マフラーをガス溶接したことで、排気漏れも止まり、排気音もかなり静かになりました。
ガス溶接は電気溶接とは違って、素人でもそれなりに溶接することができると思います。
DIYでガス溶接の機材をそろえて作業をする人はなかなかいないと思いますが、ガス溶接は鉄の溶断にも使えるので便利なんですよね。
また、溶接といえば、電気の力を使ったアーク溶接などが一般的ですね。
アーク溶接は厚い鉄をより頑丈に溶接したりするのに適します。
溶接作業ができるようになるとDIY作業の幅が劇的に向上します。溶接の腕を上げるには練習あるのみです。