ブレーキを踏むとキー音 ブレーキ鳴きをなくす方法




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す車の苦情によくあるのが『ブレーキ鳴き』『ブレーキ時の異音』などです。

確かに車を運転しているときに「キーッ」などの甲高い音って気になりますよね。

ブレーキに何らかの異常があるのではないかと不安になられる方が多いかと思います。

自動車のブレーキ鳴きは車の乗り方や、車種によって鳴りすかったり、鳴りにくかったりもします。

最初に大切なことを言っておきますと、通常ブレーキ鳴きが発生することでブレーキの効きが低下することはありません。

この記事ではブレーキ鳴きのメカニズムや対策方法をなるべくわかりやすくまとめていますので、ブレーキ鳴き対策の参考にしてください。

ブレーキ鳴きの原因とメカニズム

ブレーキ鳴きは、パッドとローターの間で発生する摩擦力が原因で発生する振動現象で、その振動が音となって「キー音」などの甲高い音になって伝わります。

この振動現象のことを「自励振動」といいます。

ブレーキ鳴きの原因はこの「自励振動」によって発生しています。

自励振動とはよくバイオリンの弦と弓や、カラオケのハウリング現象なんかに例えられます。

ハウリング現象とは、スピーカーからの音をマイクが拾い、その音がアンプで増幅されまたスピーカーから出てを繰り返し、「キーン」という大きな音が発生する現象の事です。誰でも一度は経験したことがあるでしょう。

ブレーキ鳴きもこの現象に例えることが出来ます。

・スピーカー=ローター

・マイク=パッド

・アンプのボリューム=パッドの摩擦力

・マイクとスピーカーの距離=アンチスキールシム

ハウリング現象

画像出典:https://www.toa.co.jp/otokukan/otolabo/theme1/ss6.htm

カラオケなどでハウリング現象が発生した時は、それを止めるためにマイクのボリュームを下げてみたり、マイクとスピーカーを離したりしたことがあるんじゃないでしょうか?

しかし、ブレーキの場合はローターとパッドは密着した構造のため、音の発生を抑えるのが難しく、一度発生すると振動(音)が大きくなりがちです。

ブレーキの効きがいいほどブレーキ鳴きは発生しやすいといえます。

またブレーキ鳴きの音の種類は車によってそれぞれ異なるため、決まった対策を行って低減させるのが難しものでもあります。

要するに、動いているものを止めようとすると少なからず振動(音が)発生してしまう。ということになります。

ましてや車は重量が1トン以上あるのが普通ですし、その重い車を止めるとなればなおさらですよね。

かといって、ブレーキ鳴きに対して何も対策が出来ないわけではなく、いくつかの方法で、音をなくしたり低減させることは可能です。

ブレーキ鳴きの対策方法 車屋に依頼する場合

ブレーキ鳴きが発生した時は、ほとんどの方が車屋に頼んでみてもらうことがほとんどだと思います。

その時にブレーキ鳴きの現象について具体的な状況の説明が重要です。

具体的な状況の説明をすることによって、整備する方の対応も変わってきます。

整備士に伝えるべく具体的な状況例としては次のようなことがあげられます。

・音の種類・・・どのような鳴き方か。キー音、チー音、ガー音、クー音 など

・いつ、どんなとき・・・発生しやすい時間帯(朝方、昼、夜など)、天候、気温、発生頻度 など

・ブレーキの温まり具合・・・走り出してすぐなのか、走りだしてしばらくしてなのか、発生しやすい道路 など

・ブレーキペダルの踏み具合・・・緩制動時、急制動時、ペダルを踏んでいないときはどうか など

以上のことなどをできるだけ詳しく説明することで、整備をする側としても対策がしやすくなるでしょう。

雨に濡れたときや、洗車後などに発生しやすい、ガー音やグー音などはブレーキ鳴きとはまた違う「スティックスリップ現象」というものになります。

わかりやすく例えると、乾いた手をテーブルの上で滑らせるとスルスル滑りますが、濡れた状態の手だと、キュッキュッとひっかかりが発生しますよね。車のブレーキも濡れた状態だと、これと同じ現象が起きますので、これを解消するのは構造上無理といえます。

ブレーキ鳴きを車屋に見てもらう場合、分解整備となりますので、料金が発生する事もあると思います。その場合の金額は5000円前後になるかと思います。

ブレーキ鳴きの対策方法 自分で行う方法

自分でブレーキ鳴きの対策を行う場合は最低限、車のブレーキ分解の知識が必要になります。

ブレーキ分解の知識に自信のない方はあまりへたげにブレーキ分解をすることはお勧めしません。ブレーキの不具合は事故に直結するものですからね。

ただ、自動車のディスクブレーキの構造はそれほど難しい物ではないので、しっかりと知識と技術を得れば対策を行うことは可能だと思います。

ブレーキ鳴き対策にはいろいろな方法がありますが、主に次の対策方法が有効かつ簡単に行えるかと思います。

・パッドの残量確認・・・パッドの残量が少なくなると、ブレーキの鳴きが発生しやすい傾向にあります。消耗したパッドは目に見えない反りなどがあり、ローターに当たる面が安定しないためブレーキ鳴きの原因となります。

パッド残量

新品のパッドと古いパッドです。残量が3mm以下になったパッドは交換することをおすすめします。

残量がまだ残っているパッドに関しては粗目のペーパーやすりでパッドの角を落としてやることで鳴き防止に効果がります。

・アンチスキールシムの点検・・・シムの反りや破損等の点検をします。表面がゴムのものははがれ具合などを点検します。

・グリースの塗布・・・パッド裏面にはグリース溜めのための溝やへこみがありますがあります。またシムにも同様に溝があるものがあります。グリース溜めにグリースを充填させることで鳴き止めにつながります。

パッドのツメの部分にもグリースを塗ることで、制動時のパッドの動きが安定し、鳴き防止になります。

アンチスキールシムブレーキパッド 交換

画像の様にグリースを充填、塗布します。ディスクブレーキグリースという熱に強くちょっと硬めの専用のグリースがあります。

このグリースの充填はカラオケで例えるなら、マイクとスピーカーの距離を離すという行為と同じことです。

・ピストンバック・・・キャリパーのピストンを一度戻すことでこじれをなくし、安定してスムーズにパッドに当たるようにします。

ピストンバック

方法としては画像の様にドライバーでてこの原理を利用し、出張ったピストンを戻します。

ピストンバックツールという専用の工具もあります。

自分で行える対策としては以上の事があげられます。ディスクブレーキの分解に関しては別の記事でも詳しく紹介していますので参考にしてみてください。

ブレーキ鳴きの原因と対策 まとめ

自動車のブレーキは運動エネルギーを熱エネルギーに変換させることで制動力を得ています。

運動エネルギーはそのほとんどが熱に変換されますが、一部のエネルギーは音や振動に変えられてしまうことがあり、ブレーキ鳴きとして耳に聞こえます。

同じ車でも、使用年数、温度、天気、運転状況によってブレーキの状態は違うので、鳴りやすかったりという状況が発生します。

通常のブレーキ鳴きであれば、ブレーキに異常があるわけでもなく、ブレーキの性能や、安全性には問題ありません。

とはいってもキーッという甲高い音は気になりますよね。ブレーキ鳴きのメカニズムや原因をしっかりと理解し、正しい対策をとる事が大切です。

 

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