トランクが開かない不具合 原因と修理内容




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自動車のトランクバックドアには大きく分けて2種類のタイプがあります。

ひとつは昔ながらのバックドアオープンレバーとワイヤーがロック部につながっていて機械的に開けるタイプ」

もうひとつはバックドアのオープンスイッチがロックモーターと電気的に連動して開くタイプ」です。

今回の車両は電気的にロックモーターを動かすタイプのバックドアが開くかなくなった不具合についての原因と修理内容です

現在の車ではこの電気的に開くタイプが主流になっています。

電気的に開けるのでバッテリー上がりを起こした際もボタンを押しただけでは開かなくなります。

ちなみに、バッテリー上がりを起こした後に開かないという場合は、一度ドアロックアンロックを行えば、開くようになります。この場合は故障ではありません。

車両はトヨタ、NHP-170系のシエンタになります。初度登録から一年ちょっとの車両で走行距離も7000kmと少なめの、まだまだ新しい車両での不具合です。

トランクが開かない 症状

トランクバックドアのオープンスイッチを押してもまったく反応がなく、開かない状態でした。

バックドア以外のドアロック、アンロックの動作は正常にしていることからバックドア単体に不具合があるものと推測できます。

バックドアが開かない原因として考えられるのが、オープナースイッチの不具合ロックモーターの不具合ボデーECUの不具合それらのワイヤーハーネスの不具合などが考えられます。

今回の不具合でオープンスイッチを押してもまったく開かない状態でしたので、まずはバックドアを特殊な方法で開けて不具合箇所を絞り込んでいく必要があります。

トランクが開かない 点検方法

コンピューターをつないでアクティブテストを行える環境がある場合は、まずアクティブテストを行います。

オープナースイッチの不具合の場合は、アクティブテストを行うことで直接ドアロックモーターを動かす事が出来るのでバックドアを開けることが出来ます。

この方法でバックドアが開いた場合の不具合個所はオープナースイッチの不良、オープナースイッチからボデーECUまでのワイヤーハーネスの不良まで絞りこむ事が出来ます。

オープナースイッチの単体点検(導通点検)を行い不具合個所を絞り込みます。

しかし、今回の車両ではアクティブテストを行ってもバックドアを開けることはできませんでした。

なのでバックドアの内側から開ける必要があります。

内側からバックドアを開けてドアロックモーターやワイヤーハーネスの点検を行います。

バックドアを内側から開ける方法

開かなくなったバックドアを内側から開ける方法を紹介します。

先ずは車両に乗り込みバックドアの内貼りをはがします。

車両によってはバックドアのロックモーターのところだけ開けることが出来るサービスホールが付いているものもあります。

バックドア 内側

画像はバックドアの内貼りをはがしたところで、赤丸部分がバックドアのロックモーターになります。

バックドアロック 

バックドアのロックモーター単体の画像になりますが、赤丸部に金属のレバーがあります。このレバーをマイナスドライバーなどで下に下げると、ロックが解除されるようになっています。バックドアを押しながら下げるようにしましょう。

アクティブテストを行える環境が場合やアクティブテストでも開けることが出来ない場合はこの方法で、バックドアを開けることが出来ます。

またバックドアを内側から開ける方法は別記事の『バックドアを内側から開ける方法 電気式オープナースイッチタイプの車両』でもまとめていますので参考にしてください。

トランクが開かない 原因と修理

バックドアを開けて、点検を行おうとバックドアのロックモーターを外そうとしたところ原因がすぐにわかりました。

次の画像が原因です。

コネクタ 断線

ドアロックモーターにつながるコネクタですが、ピンクの配線が根元から断線しているのがわかるかと思います。

つまり原因は「ワイヤーハーネスの断線」ということでした。

車のオーナーに修理歴やバックドアの整備などをしたことがあるか確認しましたが、ないとの事だったので恐らく初期の段階から断線ぎみになっており、使用しているうちに切れてしまったものと思われます。

修理内容としては、コネクタをばらし、切れてしまった配線をハンダで手直しをして終了となりました。

ハンダ付けをした後は問題なく作動するようになりました。

トランクが開かない まとめ

今回はワイヤーハーネスの断線という珍しいパターンでした。

修理や整備歴もないとなると、1年足らずでこの様が不具合が出てしまうということは、トヨタの工場での製造時の欠陥とみて間違いないですね。

世界のトヨタといえどもこのような不具合が発生してしまうこともあるということですね。

今回のような不具合での修理費用は工場によってまちまちになってしまうと思いますが、この車両に関しては保証期間内ということもあり無償での修理となりました。

有償の場合の費用はバックドアオープナースイッチの不具合の場合約10000円ほど、ドアロックモーターの不具合の場合約25000円ほどになるかと思います。

 

この記事へのコメント

  1. トロッケン より:

    職場で数台の現行シエンタを使用していますが、同じ現象が2台で発生しました。
    それぞれ納車から1年経ったあたりで発生しているので、この車特有の欠陥かもと
    警戒しています。

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