ハイブリッドバッテリーが上がることはある?HVバッテリー交換費用など
現在自動車業界に身近な存在となったハイブリッド車。地球温暖化やガソリン代高騰などから、エコの意識が強まり今後さらに広まっていくものと思います。
しかしハイブリッドは通常のガソリン車とは違う「ハイブリット特有の特徴」などがあります。タイトルにも上げた「ハイブリッドバッテリーは上がることがあるのか」「HVバッテリーの交換費用は?」などが代表的な疑問だと思います。
そのほかにも「HVバッテリが上がっても走行できるのか」や「HVバッテリの交換時期を見分ける方法はあるのか」など、HV車が身近になった現在でも知らないことって結構ありますよね。
画像は30プリウスの搭載されているHVバッテリです。
この様にHVバッテリは大型で重量もかなり重いです。トランクやシート下などに搭載されていることが多いです。
この記事では主にトヨタのハイブリッドバッテリーについての疑問の多いものについてわかりやすくまとめております。今後ますます増えるであろうハイブリッドバッテリーの仕組みを少しでもわかって頂けたらと思います。
この記事ではハイブリッドの事をHVと略して記載しています。
ちなみにハイブリッド車には走行用の高圧用「ハイブリッドバッテリー」とシステムの立ち上げナビなどの電装品を動かすための「12V補機バッテリー」という2つのバッテリーが搭載されています。
この二つは性能も役割もまったく別のバッテリーなので混同しないように注意しましょう。
HVの補機バッテリーについてまとめた記事はこちらです。
このページの目次
ハイブリッドバッテリーは上がることがあるの?
・車を長期間使用しなかった場合上がる可能性があります。
HVバッテリは回生ブレーキとエンジンの動力によるモータの発電から充電しています。
車を長期間使用しない場合は、通常のバッテリと同じように自然放電により、HVバッテリ上がりが起こる可能性があります。
おおよその数字ですが約4か月間使用しないとHVバッテリは上がりやすいといわれています。そのため長期間車を使用しない場合は最低でも4か月を過ぎない間に車をREDY ONにしてHVバッテリを充電してやる必要があります。
万が一HVバッテリが上がってしまったときは『THSチャージャー』という特殊な充電器でHVバッテリを充電する必要があります。また、完全放電してしまったHVバッテリは充電が行えなくなってしまうので、HVバッテリの交換が必要になります。
ハイブリッドバッテリがもし上がったら走行できるのか?
・HVバッテリが上がった場合、エンジンを始動できなくなるため走行出来ません。
HVバッテリが上がった場合は、エンジンをモーターで始動できなくなるため走行出来なくなります。エンジンが始動できないと発電もできません。
ハイブリッドバッテリはREDY ONの状態でもNレンジでは充電が行えないので注意が必要です。車をREDY ONで停めておく場合は必ずPレンジで停めておく必要がります。
万が一HVバッテリが完全放電をしてしまって充電を行えなくなった場合はHVバッテリ交換となてしまうため高額な修理代を支払わなければなりません。
ハイブリッドバッテリの寿命は?定期交換は必要なのか?
・車両の状況によって寿命は変わります。定期交換時期というのはありません。
HVバッテリには寿命があります。寿命は車両の走行状態は使用状況によって大きく変わります。
HVバッテリの保証期間は5年10万kmどちらか早い方、とされています。この期間内にHVバッテリになんらかの不具合が起きた場合はメーカーが無償修理を保証してくれます。
私の経験だと走行距離で寿命を表すならば、おおよそ15万km~20万kmの間くらいでHVバッテリ寿命が来ることが多い気がします。先に説明した通り、使用状況などによって変わりますので一概には言えませんがこのくらいで寿命が来ることが多いように思います。
HVバッテリの寿命とは、通常のバッテリと同様でバッテリ内部の性能をつかさどる材料などが劣化して、バッテリ出力が低下することをいいます。
リチウムイオン電池って何が良いの?
・リチウムイオン電池はニッケル水素電池と同様に、軽量で小さく高出力な電池です。
最近耳にすることが多くなったリチウムイオン電池について少し説明します。
繰り返し充電と放電が可能な電池の中で、最も一般的なのが鉛蓄電池です。それと比較すると現在採用されているニッケル水素電池やリチウムイオン電池は軽量で小さく高出力な電池です。中でもリチウムイオン電池は優れた性能をもった電池です。
性能の良いリチウムイオン電池の方が価格も高額になるため、高級車のハイブリッド車やグレードの高い車種に搭載されることが多いです。
今現在ではそのさらに上の性能(別次元)をいく、より高密度で高エネルギーな全個体電池というものの開発に各メーカーが励んでいるところです。
電池の進化はハイブリッド車の進化EV社の進化に直結します。
HVバッテリが劣化した場合前兆はあるのか?また点検方法は?
・前兆はありません。HVバッテリが劣化した場合は、メーター内に警告灯が表示されます。
HVバッテリーの劣化は前兆が特にありません。また、HVバッテリの状態についてはある程度劣化が進むと警告灯が点灯します。ディーラーでコンピューターをつなぎ診断を行うことが出来ます。コンピューターでダイアグノーシスコードというのを検出するのですが、検出されなければ劣化状態は問題ないと判断できます。
バッテリー劣化のダイアグノーシスコードを検出するとHVバッテリー交換となるため費用が高額なってしまいます。
HVバッテリーの劣化は予測が困難なので、昨日まで普通に走れていたのに急に駄目になってしまうことが多いです。
その割合が多くなるのが15万km~20万kmくらい走った車に見られることが多いです。
HVバッテリーの交換費用
・HVバッテリの交換の費用は大体15万円以上になることが多いです。
バッテリそのものの値段も高いですし、工賃もそれなりにしますので、高額になりやすいです。あとは車種によっても結構差がありますね。
ハイブリッドバッテリーは通常の12Vバッテリーと比べれば確かに、持ちは長続きします。しかし基本的な構造は通常のバッテリーと大きく変わらないので同じように寿命が来ます。寿命が来れば当然交換が必要ということになります。
ハイブリッド車を長く乗り続けようとすると避けては通れないのが、HVバッテリーの上がりだということです。
特に中古車でハイブリッド車を買う際などはその点も注意して買うようにした方がよいでしょう。年式や距離数などである程度の予測はできますから、この記事をよく読んでいただき参考にしてください。
私の考えでは10万kmを超えた中古ハイブリッド車の購入はあまりお勧めしませんね。
HVバッテリー まとめ
地球の環境に優しいハイブリッド車は、燃費がいいので私たちの財布にも優しいですね。
しかし走行距離数が増えてきてHVバッテリーの劣化が進んだハイブリッド車はHVバッテリーの寿命という落とし穴があり、ドカンとお金が吹き飛ぶ恐れもあります。
ハイブリッド車ってガソリン車より大体30~40万くらい値段が高くなります。結局最初にガソリン代を払うかの違いなのかなって感じもします。
しかしハイブリッド車のモーターで加速していくフィーリングや信号待ちでも静粛性はガソリン車では味わえないもので、とてもいいものですね。
ハイブリッド車がいいのかガソリン車がいいのか、迷うところはあると思いますが、結局は燃費や金は気にせず自分のフィーリングに合った方を選ぶのが一番かなと思います。