自動車に使われている材料について
この記事では自動車に使われている材料についてまとめています。
自動車に使われている主な材料
- 鉄鋼
- 非鉄金属
- 焼結合金
- 非金属
自動車に使われる材料の約80%が金属類である。
鉄鋼
鉄(Fe)と炭素(C)の合金。炭素の含有量などにより材質が変わる。
・炭素の含有量が多いもの→鋳鉄(炭素2.0~6.67%)
耐摩耗性に優れるが、衝撃に弱い。「硬くてもろい」
- 普通鋳鉄・・・シリンダブロックなどに使用
- 特殊鋳鉄・・・クランクシャフトなどに使用
・炭素の含有量が少ないもの→鋼(炭素0.02~2.0%)
耐摩耗性は劣るが、延性、展性に優れる。「粘り強い」
- 炭素の含有量でさらに分類される
- 軟鋼(0.01~0.02%)
- 硬鋼(0.04~0.05%)
- 鋳鉄製のものは落としたりぶつけたりすると欠ける
- 鋼製のもは落としたりぶつけたりすると変形する
鋼は熱処理によって性質が変化する
- 焼き入れ:熱して急激に冷却→硬さ、強さを増す
- 焼き戻し:熱して徐々に冷却→もろさを緩和
- 表面効果処理:鋼の表面のみを硬化させる。→表面の耐摩耗性が向上し、内面は粘り強さが残る。
- 高周波焼き入れ
- 浸炭焼き入れ
- 窒入
非鉄金属
・銅・・・延性、展性に優れる。電気、熱伝導率が良い。(銅1→アルミニウム1/2→鉄1/8→ガラス1/400)
- 銅と他の合金を合わせることで様々な性質が生まれる・・・銅合金
- 銅+錫=青銅(耐摩耗性良)
- 銅+亜鉛=黄銅(加工性良)
- 銅+鉛=ケルメット(なじみ性良)
・アルミニウム・・・延性、展性に優れているが強度が低い。純度が高いほど低くなる。
- 比重・・・鉄の約1/3=軽い
- 電気伝導率・・・銅の約60%=伝わりにくい
- 熱伝導率・・・鉄の約3倍=伝わりやすい
- 線膨張係数(温度が1度上昇する毎の長さ方向の膨張割合)・・・鉄の約2倍=膨張しやすい
非金属
・ガラス・・・自動車のウィンドシールドガラスは「安全ガラス」
- 合わせガラス:二枚のガラスの間にプラスチック中間膜を挟む
- 強化ガラス:割れた時に細片になる
- 部分ガラス:割れたときに運転者の視野が確保できるよう一部粗片となる
まとめ
自動車には様々な材料の部品が使われています。
それぞれの材料の性質などを知ることは自動車整備においても、とても大切なことです。
その材質に合わせた取り扱い方を知ることで、整備の質を上げることにつながります。