フォークリフト ホイールシリンダーオーバーホール作業手順




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フォークリフトのドラムブレーキ、ホイールシリンダーのオーバーホール作業手順をまとめます。

基本的な構造は自動車と変わりませんが、車両の状態によっては錆がひどくボルトが回らなかったり、作業中思わぬハプニングが発生する可能性が高いので注意が必要です。

この記事では、2.5Tトヨタフォークのホイールシリンダーオーバーホールを行ったときの画像を使いながらまとめていきます。

ホールシリンダーオーバーホール作業手順

ドラムブレーキをばらすためにはまず、タイヤを取り外す必要があります。

フォークリフトの車輪の浮かせ方は、マストを運転席側に全開にチルトして、マストの間に枕木等を挟みます。

そのまま前方にチルトしていくと、前輪が少しずつ浮いてきます。

フォークリフトのタイヤは重いので浮くか浮かないかのぎりぎりのところで作業をします。

 

車両の状況によってはタイヤのナットがさび付いており、ナットが緩まない場合があります。

今回の車両もそうでした。

その場合はタイヤがドラムについたままドラムを外していきます。

アクスルシャフト

画像の様に、10本のボルトで止まっているシャフトを抜きます。

中からデフオイルが出てくると思うので軍手などで蓋をしておきます。

アクスルシャフトが外れると上の画像の様に、大きなナットがついています。

これがドラムを固定しているナットなので、外していきます。

ロックなどがついている場合があるので、外してから、マイナスドライバーなど緩める方向にたたくと緩みます。

それほど強い力ではしまっていません。

緩める前にポンチなどを打って印をつけておきましょう。締め付ける際の目安にします。

 

ナットが外れれば、ドラムを取り外せる状態になります。

中でライニングが噛んでいたりすると抜けにくい場合があります。左右に揺さぶったりしながら抜くといいと思います。

タイヤ付の場合はかなり重いので下に鉄板などを敷いてぎりぎりの高さに調整して、引っ張ったりすると腰を傷めずに済みます。

ドラムブレーキ

ドラムブレーキの中身です。汚れがかなり蓄積しています。

ホイールシリンダ

ホイールシリンダを近くで見ると、濡れており、ブレーキフルードが漏れ出しているのが分かります。

 

ライニングを分解してホイールシリンダーのオーバーホールを行います。

途中途中で写真を撮りながら進めることをおすすめします。

組み付けを行う際に結構忘れたりするので。

マイナスドライバーとプライヤーがあればバラすことが出来ます。

 

 

ホイールシリンダーのカップ類を取り外します。

ホイールシリンダー カップ

シリンダー内部はかなりさび付いていると思うので、ペーパーかけをして綺麗にします。

ホイールシリンダー 内部

錆が残っているとそこからまた油漏れを起こしてしまうのでよーく綺麗にしましょう。

新しいカップキットを組み付ける際は、グリースを塗りながら組み付けていきます。

また、シールの向きにも気を付けて組みましょう。

 

今回ドラムブレーキをばらしたついでに、アクスルのオイルシールも交換しておきます。

大きめのマイナスドライバーなどでこじれば外れます。

入れる際はハンマーで均等にたたいて入れます。

 

ライニングを組み付ける際は自動車に比べてスプリング等少し硬いですが、慎重にやればそれほど難しくありません。

サイドブレーキの調整コマを少し戻した状態でドラムを入れると入れやすいと思います。

アクスルシャフト等を組み付けていきます。

 

ブレーキフルードをブリーダから抜き、ブレーキラインのエア抜きを行います。

フォークリフトのエア抜きのブリーダは位置が悪く結構やりにくいかもしれません。

 

最後にライニングとドラムの隙間調整を行います。

私の場合は、タイヤを少し浮かせた状態で、ドラムの裏側のメクラキャップを開け、タイヤを回しながら少しづつ調整を行っていきます。

フォークリフトの場合ドラムをつけたり外したりするのが、大変なのでなるべく一発で決まるように慎重に行います。

 

テスト走行を行い、ブレーキやサイドブレーキの効き具合に問題がなければ作業終了です。

まとめ

今回はブレーキをばらすついでに、サイドブレーキワイヤーも交換しました。

ワイヤーが固着して、効きが悪くなっていた為です。

 

今回の修理にかかった部品代は全部で約30000円になります。

修理屋さんにお願いした場合の工賃は30000円位かかるのではないかと思います。

 

自動車の場合は車検のたびにブレーキを点検するので、ブレーキオイルが無くなってブレーキが効かなくなるということはまずありませんが、フォークリフトの場合はブレーキばらしてまで点検する人はなかなかいないと思うので、このような状態まで放置されることも多いかと思います。

 

ブレーキが効かない車両は大変危険ですので、しっかりと修理をして使用するようにしましょう。

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