オートマチックトランスミッションの仕組みについて
自動車では主流になっているオートマチックトランスミッション。
通称オートマ、AT。
このオートマチックトランスミッションの内部の構造はかなり複雑で、実は整備士の方たちでもしっかりと内部の仕組み構造まで理解している人は少ないと思います。
この記事ではそんなオートマチックトランスミッションの仕組みや構造をできるだけわかりやすくまとめてみました。
オートマチックトランスミッションの構造
オートマチックトランスミッションは大きく分けて3つの構造に分かれています。
- トルクコンバーター(流体クラッチ)=エンジンからの動力を流体を介して接続し、かつトルク変換を行う。
トルクコンバータのミッション側の画像です。真ん中の部分がミッションと嵌合しており、内部はオートマチックフルードで満たされています。
エンジンからの動力をミッションに伝えます。
マニュアル車でいうところのクラッチにあたる部品です。
もう一つの画像はトルクコンバータのエンジン側の画像です。6つのボルトでエンジンのドライブプレートとつながっています。
- ギヤユニット(変速機構部)=トルクコンバータにより変換されたトルクを、ギヤの組み合わせでさらに変速する。「プラネタリギヤユニット」。
- 油圧制御装置(ハイドロリックユニット)=走行状態に合わせて油路の切り替えを行い、ギヤの組み合わせを変える。
画像はハイドロリックユニットです。バルブボデーと呼ばれることもあります。
この装置で走行状態に応じて油路の切り替えを行います。分解するとかなり細かい油路がいくつもあります。
プラネタリギヤユニットとは
トルクコンバーターのトルク変換だけでは、エンジンからのトルクは最大でも2~2.5倍くらいにしかなりません。通常MT車でも1速の発進時は4倍くらいまでトルクが上がっているので、トルクが不足し発進が出来なくなってしまいます。
そこでプラネタリギヤとうものを使ってさらにトルクを変換させています。また後退のためのリバースギヤも含まれています。
別名「遊星歯車」ともいう。
~構造~
- インターナルギヤ・・・一番外側にある内歯を有するギヤ。
- サンギヤ・・・中心にあるギヤ
- プラネタリキャリア・・・プラネタリピニオンギヤを支えるアーム。プラネタリピニオンギヤ。
トルクコンバータからのトルクをインターナルギヤ、サンギヤ、プラネタリキャリアのどれかひとつに入力し、ひとつを固定、残るひとつを出力とすることで変速及び逆回転を行っている。
電子制御ATの概要
車速とエンジン負荷(アクセル開度)によって、その時の走行状態に応じた最適な変速比を決定する。
油圧によってバルブを作動させ、変速機(ギヤユニット)を動かすための基本油圧(ラインプレッシャ)が通る油路を切り替える
- バルブを動かす油圧・・・信号油圧「パイロットプレッシャ」
- 各ギヤを作動させる高油圧・・・基本油圧「ラインプレッシャ」
油圧制御装置の構成
・オイルポンプ・・・エンジンによって駆動されAT各部にフルードを供給。
・レギュレータバルブ・・・オイルポンプ発生油圧の最高値を規制ラインプレッシャ圧を調整する
例)高不可時やや高い圧力をギヤユニットにかける~クラッチプレートの滑り防止
・マニュアルバルブ・・・運転者のシフトレバー操作によって作動する。
クラッチブレーキ用コントロールバルブ・・・クラッチブレーキ用ソレノイドバルブの信号油圧によって作動する。基本圧が通る油路を切り替える。
・AT-ECU・・・各センサからの電気信号を受け、制御のための電気信号をソレノイドバルブに送る。
・クラッチブレーキ用ソレノイドバルブ・・・ATーECUからの電気信号で作動しコントロールバルブユニットを動かす信号油圧を作る。
オートマチックトランスミッションの仕組みについてまとめ
正直文書にして説明するのはかなり難しいです。おおまかな作動や構造などを頭に入れておく感じでいいと思います。
オートマのミッションが不良になった際はほとんどがASSY交換になりますので、オートマの不具合だという切り分けができる、ある程度の知識が分かっていることが大切です。
所々わかりにくい説明&へたくそなイラストを挟んでわかりにくい部分もあったと思いますが、なんとなーくわかっていただければいいかなと思います。
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