3ZRエンジン始動不良 インジェクタ後だれ




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3ZRエンジンのエンジン始動が悪いことがあるという車の整備内容です。走行距離75000km。

不具合症状

・クランキングは問題なくする。

・エンジン完全暖気後1時間くらい放置してから始動するときに、かかりが悪い時がある。最悪エンジンがかからない場合がある。エンジンがかかった時は回転数が異常に高くなる。3000ppmくらい。一発目以外の始動は良好。

・エンジンのかかりが悪いときはエンジンがかかるまでに時間がかかる感じで約3秒以上かかる。通常はすぐにかかる。

・朝一番のエンジン始動時は良好。

症状の動画を添付しますので参考にしてください。エンジンを3回かけるうちの1発目だけがかかりが悪いのがわかると思います。

点検内容

不具合の症状から推測するとインジェクタの後ダレが考えられますので、後ダレの点検を行っていきます。

まずダイアグコードを確認すると、エンスト検出、始動不良、アイドリング不安定などがはいっていました。

エンジン完全暖気後一時間放置してインテークマニホールド内のHC濃度を測定します。測定方法はCOHCテスターを用います。PCVバルブのホースを引っこ抜いてそこにプローブを挿入して行います。これを何度か行います。

  • 1回目 HC濃度4800ppm・・・始動良好
  • 2回目 HC濃度9800ppm・・・始動不良
  • 3回目 HC濃度測定不能天上値・・・始動不良
  • 4回目 HC濃度測定不能天上値・・・始動不良

念のため同じ正常な3ZRエンジンのHC濃度も測定してみます。条件を同じにして測定すると550ppm前後でした。

以上の結果からインジェクタの後だれがあると判断しました。

修理内容と結果

インジェクタの後ダレは気筒判別が困難なため、インジェクタASSY4本すべてを交換しました。

交換したインジェクタの外観は破損などはなく異常は見られませんでしたので、インジェクタ内部のニードル部に密着不良などがあると考えられます。

インジェクタ交換後は始動良好になりました。HC濃度を測ってみると330ppmくらいになりました。

修理代金とまとめ

今回の修理金額は部品代と工賃で62000円でした。

インジェクタ1本の値段が12000円しますので、4本交換になると結構な高額修理になってしまいます。

工賃は12000円ほどが目安になると思います。

インジェクタの不良は台数的にそれほど多くありませんが、ニードルバルブの密着不良で今回のような後ダレが起きてしまうことがあります。

走行不良などになることはほとんどないと思いますが、エンジンの始動状態などの項目で車検のときはじかれる場合もありますので交換することをおすすめします。

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