ホイールシリンダ カップ漏れ 修理方法と費用
リヤのブレーキに多く使われているドラムブレーキのホイールシリンダのカップキットの交換方法をまとめた記事になります。
ホイールシリンダのカップキットは材質がゴムでできていますので、経年劣化などにより漏れが発生することがあります。ホイールシリンダからのカップ漏れが起きた場合、ブレーキの利きが悪くなったり最悪ブレーキが利かなくなる恐れがあります。
そうなる前に12か月点検時や車検時に少しでも漏れが発生している場合は早急に交換修理が必要になります。
カップキットの交換方法
カップキットを交換する際は、ラニングシューの分解が必要になります。
ライニングシューの分解については『ドラムブレーキ ライニングシュー 交換方法』にまとめてありますのでそちらを参考にしてください。
カップキットを交換する際はトレーリング側のライニングシューも取り外して行います。
ホイールシリンダの分解はとても簡単です。
画像赤丸部のホイールシリンダダストブーツをめくります。薄刃のマイナスドライバー などを使うとめくりやすいと思います。
ブーツはホイールシリンダの溝にかぶさるように取りついています。
ダストブーツがめくれると、ピストンがとりだせるかと思います。と同時にシリンダー内にたまっていたフルードも出てきますので受け皿を用意しておきます。
ピストンが取り外せたらラバーシールを交換します。このゴムの部品が劣化する事でシール性が弱くなり、フルード漏れの原因となります。
取りつける際は向きに注意して取り付けます。画像の様に内側に広がる向きで取り付けます。(画像でいうと右側が内側)逆につけてしまうとシール性がなくなりフルード漏れを起こしてしまいます。
必ず内側が広くなるように取り付けます。
両側のラバーシールを交換します。交換している最中新品と古いのが混ざらないように注意します。古いのは取り外したら切ってしまった方がいいかもしれません。
ホイールシリンダ内を布ウエスなどで軽く清掃しておきます。シリンダ内に指を入れて傷などがないか確認しておきましょう。
まれに傷が原因でそこから漏れが発生している場合があります。その場合はホイールシリンダASSYの交換が必要となります。
組み付ける際に再度ラバーシールの向きを確認します。
画像のように内側に広がる向きで取り付けます。
ピストンをホイールシリンダに組み付ける際はシール部分にラバーグリースを塗って取り付けます。
ラバーグリースはゴム製品を侵すことなく潤滑をおこなえるグリースとなっております。ピンク色をしています。まれに交換用のカップキットに少量付属してくる場合があります。
このグリースを塗らずに取り付けてしまうと、シールの初期なじみが悪くフルード漏れの原因となりますので、必ず塗ってから取りつけるようにします。
ダストカバーは画像の様に裏返しにしてあらかじめピストンに取り付けた状態で組み付け
ると、作業がスムーズにいきます。
ピストンを入れたら戻せばホイールシリンダにかぶさります。
ホイールシリンダーのカップキットの交換が左右終わったらブレーキラインのエア抜き作業を必ず行ってください。
ブレーキラインのエア抜きが終了してから再度ホイルシリンダーのブーツをめくりカップ漏れ点検を行い、漏れがないようでしたら作業は終了です。
ホイールシリンダ カップキットの漏れ 交換方法と費用 まとめ
今回の作業は部品代のカップキットは数百円で済みます。
作業を車屋にお願いした場合の工賃は8000円前後のところが多いかと思います。
ブレーキ系統の不具合は大変危険ですので早急に修理をする必要があります。
今回の作業は車の構造を熟知している人ならば、DIY整備も可能だとは思いますが、あまり自信のない方は車屋にお願いする事をおすすめします。