エンジンルームからの異音 ベルトオートテンショナーの不具合
1AZエンジンのエンジンルームからの異音の不具合についての原因と修理内容です。
車両は60ヴォクシーで、走行距離は80000kmのものになります。
現象としては走行中などにエンジンルームの方から「キュルキュル」というベルト鳴きのような音が聞こえるというものです。
エンジンを空ぶかししても聞こえたりします。通常のベルト鳴きの音よりも大きく音がする場合もあります。
1AZ エンジンルームからの異音 点検内容
エンジンルームからの異音の原因を探求していきます。
先ず,異音の種類としてはベルト鳴きのような音ですのでベルトの張り具合やベルト溝の摩耗具合に異常がないかを点検します。
1AZエンジンでベルト鳴きの不具合で多いのがベルトオートテンショナーの不具合によるものが多く見られます。エンジンをかけて空ぶかしをしたときに異音が出るようならば、ベルトテンショナーの点検を行います。
1AZエンジンのベルトテンショナーはオートテンショナーとなっており、テンショナーの中にオイルが封入されています。このオイルが経年劣化などにより漏れてしまうことで、ベルトの張力が弱まり異音の原因となります。
1AZエンジンでベルトの鳴きが見られる場合、ベルトの摩耗点検とともに次の点検を行ってください。
・オートテンショナーのオイル漏れ点検
・オートテンショナーの張力点検
テンショナーのオイル漏れ点検では、テンショナー付近にオイル漏れの跡がないかを確認します。右フロントのタイヤハウスのアンダーカバーを外すと確認がしやすいです。
テンショナーのオイルが漏れている場合黒く汚れて濡れているのがわかると思います。
このときチェーンカバーからのエンジンオイルの漏れなどがあると誤診しやすいので注意してください。
オートテンショナーの張力点検では、テンショナーに工具を当て押し縮めてみます。このとき張力が弱っているものですと、戻りが悪かったりします。
画像だとわかりにくいですが、赤丸部のところちょうどベルトの裏側に19mmのヘキサゴンがいますので、そこに工具を当て手前に倒すことでベルトテンショナーを押し縮めることが出来ます。
戻した時のテンションのかかり具合を点検してください。張力が弱っているものは戻りが悪くなっている場合があります。
以上の点検をしベルトテンショナーの不具合の可能性が高い場合は、ベルトを外してエンジンをかけます。このとき空ぶかしなどをしてエンジンからの異音が出なくなれば、ベルトテンショナーの不具合による原因と特定できます。
1AZ ベルトテンショナーの交換方法 費用など
1AZエンジンのベルトテンショナーはボルト1本とナットひとつで固定されているだけですが、スペースが狭いためエンジンマウントを切り離してエンジンを傾けながら作業を行う必要があります。
DIY整備ではなかなか難しい作業になると思います。
エンジンルームのマウントを切り離す時は、車体フレーム側にとりついている14mmのボルト3本をとりはずすようにしてください。
赤丸部3つが取り外すマウントのボルトです。
塗りつぶしているところは陰になっているので正面からでは見えません。
オイルパンの下からジャッキを当てて少しずつエンジンを浮かせ空いたスペースからボルトとテンショナーを取り出します。
取り外したベルトテンショナーの画像です。オイルで黒く汚れています。
画像だとわかりにくいですがオイルで濡れており触ると手につきます。UP画像の方でブーツをめくるとオイルがドバっと流れ出てきました。
こうなってしまうと正しい張力を得ることが出来ず、ベルトがプーリーを空転してしまい今回のような「キュルキュル音」が発生してしまいます。
今回はファンベルトの交換も同時に行いました。ベルトの滑りが発生している場合は溝の摩耗も進んでいることが考えられるためです。
修理費用としては部品と工賃を入れると50000円前後になるかと思います。
ベルトテンショナーの部品自体が高額なのと、エンジンマウントを切り離す作業があるため工賃も高くなります。
1AZエンジンルームからの異音 まとめ
今回のベルトテンション―の不具合は1AZエンジンの不具合としては結構多いですね。年式的にも古くなっているのと走行距離も多くなっていることが原因のひとつだと思います。
ベルトテンショナーの不具合を放置すると、最終的にはファンベルトが切れてしまいます。
ファンベルトが切れるとパワステ、エアコン、ウォーターポンプ、オルタネータが機能しなくなりそのほかの不具合の原因にもなりますのでなるべく早めに修理をした方が言いですね。