10系アルファード 電動スライドドア開かない不具合 原因と修理
10系アルファードの電動スライドドアが開かないという不具合の、原因究明と修理内容、修理費用などをまとめた記事になります。
電動スライドドアが途中で閉まらなくなった時の対処法も一緒にご紹介します。
10系のアルファードではスライドドアの不具合がかなり多いです。というのもこの年代の電動スライドドアは構造上あまり耐久性がよくありません。
スライドドアの不具合は開かなくなったり、途中までしか開かない、開いたまま閉じなくなった、などの不具合が最も多いと思います。
不具合の原因は様々ですのでしっかりと探求する必要があります。
10系アルファードの電動スライドドアの不具合の原因と修理内容について紹介していきますので参考にしてください。
このページの目次
10系アルファード スライドドア不具合の原因
電動スライドドアが開かなくなったりする原因には実際色々な原因が考えられますが、その中でも多いのがスライドドアのワイヤーの被覆破れにより滑車のつまりで開かなくなることが多いです。
下の画像はスライドドアのワイヤーになります。
赤丸部のワイヤーの黒い被覆が破れてしまっているのがわかると思います。
原因のひとつが、被覆の破れがワイヤーの滑車などでつまりを起こし不具合が発生してしまいます。
スライドドアの開きが悪くなったり、開かなくなってしまった場合はこのワイヤー部分を点検してみてください。被覆の破れが見られるようならば、そこから不具合が発生している可能性が高いのでワイヤーの交換が必要になります。
そのほかに考えられる不具合としては、スライドドアモータそのものの不具合、リリースモータなどの不具合が考えられます。
電動スライドドアにはたくさんの部品が使われていますので、一概には言い切れませんが、開閉時に引っかかりを生じる場合や、途中で止まってしまう場合はこのワイヤーの不具合の場合が多いです。
実際に不具合が発生したスライドドアのワイヤーを分解した画像です。
赤丸部にはがれた被覆がたまっているのがわかるかと思います。ここで引っかかってしまい、途中までしか開かないような状態になっています。
こうなると綺麗に取り除くのは難しいのでワイヤーASSYの交換が必要とります。
電動スライドドアが途中で閉まらなくなった時の対処法
不具合が出るタイミングが悪いと全開の状態や半開きの状態で閉じることが出来なくなってしまうことがあります。
こうなると、手動で無理やり閉めようとしてもなかなか閉まりません。
そうなってしまった場合はワイヤーを切断することで開閉を手動で行うことが出来るようになります。
スライドドアのワイヤーはオープン側とクローズ側の両端が車体にそれぞれ固定されていますので、そのとまっている個所のなるべく根本から切断します。ヒンジ部の滑車付近ににワイヤーが残ると思うのでそちらもなるべく滑車に近い位置から切断します。
これで手動での開閉は可能になるかと思います。ワイヤーを切断した場合は電動スライドドアのスイッチをOFFにして手動スライドドアとして使ってください。
とりあえず手動で使えればいいという方はワイヤーだけ切断すれば手動のスライドドアとして開閉は問題なくできるようになります。
電動スライドドアのワイヤー交換方法
10系アルファードの電動スライドドアのワイヤーを交換する際に一番の難所が、オープン側のワイヤーを止めているところのカバーをはずすところだと思います。
窓ガラスのところにある黒いカバーです。そこがうまく外れればあとは比較的簡単に作業できると思います。
また交換作業を行うときは運転席にある、電動パワースライドのスイッチをOFFにしておこないます。
スライドドア ワイヤー 取り外し
先ずはスライドドアの内貼りをはがしていきましょう。
内貼りには内側のドアノブ付近。画像のところにトルクスのねじが止まっていますので外します。
後はクリップで止まっているだけですので。内貼りの下の方からバリバリと外していきます。
作業中スライドドアが完全に閉まらないように上のレール部分にタオル等をかましておくと作業がしやすくなると思います。
パワーウィンドウスイッチのコネクタを切ります。
次にスライドドアワイヤーのエンド部分を外すためエンドカバーをはずします。
一番の難所!!!
このエンドカバーを外さないとワイヤーを外すことも取り付けることも出来ません。
そしてこのカバーを外すのがめちゃくちゃ硬いです。とにかくかたいです。破損する可能性も高いので慎重にかつ大胆に作業する必要があります。
エンドカバーは矢印の方向に車両前方にスライドさせれば取り外せます。
しかしこれが本当に硬いです。めちゃくちゃ硬いです。
画像の様にマスキングで傷防止をして、カバーの後ろ側に内貼りはがしなどを入れて前方にこじるようにしてはずします。
エンドカバーを取り外した画像です
画像の赤丸部がそれぞれ嵌合しています。
とまっているのはこの一か所だけなのですがとにかく硬いです。傷つき破損に注意しながら作業を行って下さい。
どうしても外れないときは、新品のカバーをあらかじめ部品だけ取っておいて、壊すつもり外すのもありです。
カバーを取り外すとこのように白いワイヤーのエンド部分が見えます。薄刃のマイナスドライバーで浮かせてやれば簡単に取り外すことができます。
同じようにクローズ側にもエンド部分がありますので、同じように外します。クローズ側は黒色をしています。
ヒンジ部分の滑車を取り外します。
画像の黒色をした10mmのボルト二本です。
ドアの内部の部品を取り外していきます。二枚の画像の赤丸部にそれぞれプラスねじが止まっているのではずします。
作業の邪魔になるコネクタ、内側のビニール等は必要に応じて取り外しておきます。
下の画像10mmのボルトで一か所固定されている箇所があると思うので、そちらも外しておきます。
これでワイヤーを取り外す準備は整いました。
ドアガラスのモールが邪魔になるともいます。上に引っ張れば外れるので必要に応じてはずして作業してください。
四角い穴を通す時は隙間が結構ぎりぎりですので、知恵の輪のようにして外します。
スライドドア ワイヤー 取り付け
スライドドアワイヤーは新品を頼むと、ワイヤー部分が袋に入った状態できます。これは付けたままにした方が、取り付け作業が行いやすいです。
取りつける際は逆の手順で取り付けていきます。
スプライン嵌合部がモーターとかみ合いにくい場合は手で少し回しながら、調整してください。
取りはずした逆の順番で取りつけていきます。ヒンジ部の滑車の10mmのボルトは最後に取り付けます。
このボルトは最後に取り付けます。
ここを取り付ける前にワイヤーのエンド部分をそれぞれの位置につけます。黒が車体前方、白が後方側です。
ワイヤーエンドを取り付けたあとにヒンジ部のボルトを付けます。
全てのボルト、ねじを取り付けたら、コネクタやビニールを元に戻して、内貼りを取り付けます。パワーウィンドウスイッチのコネクタを忘れずに。
これでスライドドアワイヤーの交換は終了になります。
作業完了後に正常に電動スライドドアが作動することを確認します。
スライドドアが正常に作動することを確認出来たら、エンドカバーを取り付けます。これまた取り付けるときも硬いです。ツメの部分にルーセンなどの潤滑油を塗って行うと入りやすいと思います。
スライドドアを開けたときの異音 「バコン音」について
パワースライドドアの開かない不具合は直ったけれど、今度は開いたときに「バコン」という異音が発生してしまったり、ドアノブを目いっぱい引かないとドアが開かないなんて状況になる場合があります。
スライドドアの不具合はいろいろな部品が使われているので、一気に直すのはなかなか難しいです。
この記事ではスライドドを開けたときの「バコン」という異音の発生原因や対策方法を詳しく紹介していますので参考にしてみてください。
電動スライドドアの修理費用とまとめ
今回の修理はスライドドアのワイヤーの交換だけですみましたので。部品代が11000円です。工賃は8000円前後になることが多いのではないでしょうか。
車屋にお願いした場合20000円前後の修理費用となります。
今回の修理はDIYでもできるレベルだと思います。DIYで作業することで8000円ほど浮かせられるのでかなり大きいですね。
スライドドアの不具合はこの他にもモーターそのものが駄目になったりもします。その場合80000円くらいの修理費用がかかりかなり高額になってしまいます。
20系のアルファードからは電動スライドドアの駆動がワイヤーではなくベルト式になっているので耐久性が格段に上がっています。
■スライドドアアタッチメントコントロール+エンドモールディング(助手席側) 69641-58010+68374-58010 アルファード 10系 トヨタ純正部品
■スライドドアアタッチメントコントロール+エンドモールディング(運転席側) 69631-58010+68373-58010 アルファード 10系 トヨタ純正部品
部品は左右で品番が違いますので、間違えないように注意してください。