ボールジョイントブーツとは?交換作業と費用について




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この記事ではフロントのロアボールジョイントブーツの役割交換費用作業要領をまとめています。

ボールジョイントブーツに切れなどの破損がある場合車検は通りませんので交換が必要になります。

また、ボールジョイントのブーツに破損があるとボールジョイントのガタにつながる原因となりますので、発見した場合早急に交換するべき部品です。

今回ご紹介する車両は、10系ヴィッツで、走行距離は99000kmになります。

交換方法はどの車種も基本的に大きな違いはありませんので、参考にしていただければと思います。

ボールジョイントブーツの役割とは

まずはボールジョイントブーツの役割についてご説明します。

車の足廻りは、走る曲がる止まる、路面からの振動などにより様々な方向に動きます。

車の足廻りはその様々な動きに応答できるように「人間でいう関節の部分」が多数組み合わさってできております。

車の場合関節は金属同士が組み合わさっています。

この関節部分を車では『ボールジョイント』といいます。

そのまま組み合わせるだけだと金属同士が摩耗して関節にガタが生まれやがて外れてしまうので、関節部にはグリースが充填され摩擦を少なくしています。

さらにそのグリースが外に飛び出してしまわないようにジョイント部を覆っているゴム製の部品が『ブーツ』といわれる部品になります。

ボールジョイント

画像はアッパーアームボールジョイントが外れてしまっているものです。本来赤丸部が結合しています。

ブーツに破損があると、充填されているグリースが外に出てしまい、金属同士が摩擦するようになり摩耗していき、やがてガタにつながります。

今回交換が必要になるロアアームボールジョイントのブーツはタイヤを下から支えているアームの関節部にあたる部品です。

タイヤを下から支えているので負担がかかるため、ブーツ類のなかでは切れやすい部分です。

ブーツ切れ

画像のブーツはぱっくり割れてしまっています。

ジョイント部のブーツに破損があっても足廻りにガタなどがない場合はブーツの交換をすれば大丈夫ですが、ガタなどが出てしまうとアームごとの交換となるため修理費がいっきに高くなります。

つまり、ボールジョイントのブーツの破損は早めの発見と早めの交換が大切です。

ロアボールジョイントブーツ 交換

それではロアボールジョイントブーツの交換要領をご紹介します。

ボールジョイントに破損がある場合、画像の様にブーツ付近がグリースで汚れています。

ロアボールジョイントブーツ

ブーツをよく点検すると切れてしまっているのがわかると思います。

タイヤを付けた状態でガタなどがないか確認します。縦や横にゆすって確認します。

ガタがない場合はブーツの交換を行います。

ボールジョイントブーツ交換に必要な特別工具 『ボールジョイントセパレータ

ロアボールジョイントはナックルといわれる部品と硬く結合しています。

その結合を外すのに「ボールジョイントセパレータ」という専用の工具が必要になります。

この工具はボールジョイントを外す時に使用するもので、ロアボールジョイント、タイロッドエンドなど各部ボールジョイントに使用できます。

DIY整備を本格的に行う方は一つ所有しておきたい工具ですね。足回り等の整備には必須になってきます。

値段がかなりピンキリですが、安い物は強度が心配なので、しっかりとしたものを選んだ方が良いです。

ロアボールジョイントブーツ 交換要領

ロアボールジョイントのナットを取り外します。

車種によっては割ピンなどがはいっていますので、先に取り外してください。

画像の様にボールジョイントセパレータをセットします。私が使っているものはボルト部を守るアタッチメントが付いているのでそれを使用していますが、ない場合はもともと止めてあったナットを裏返して使用します。

ボールジョイントセパレータ

そのままセパレータを当ててしまうと、ボルトの先端がつぶれてしまうので、必ずナットをかましてください。

この状態でボールジョイントセパレータを締め込んでいきます。ある程度テンションがかかってきたら、そのままさらにボルトを締めていけば結合は外れます。

私の場合ある程度テンションがかかった状態で、ナックルの部分をハンマーでたたきます

バンッという大きな音とともにボールジョイントの結合が外れます。何回やってもこのときは結構ビビります。

結合が外れたら、セパレータとナットをはずしロアアームを下に引っ張りナックルと分離させます。

ロアボールジョイントのブーツを外していきます。車種によってワイヤーで止まっているものや、圧入気味で入っているものがあります。マイナスドライバーなどを使って取り外します。

ロアボールジョイント

画像はブーツを取り外したの状態のボールジョイントです。

出来れば古いグリースを綺麗に拭いて、新しいグリースを充填するとベストです。

新しいグリースを充填する場合はこちらのMPグリースを充填してください。

像の様に新品のブーツの中にたっぷりとグリースを充填してから取り付けていきます。
ロアアームブーツを取り付けていきます。
圧入気味で入っているものはボールジョイントインサーターという専用の工具があります。
でもこの工具は無くても、マイナスドライバーやウォーターポンププライヤーなどを使って取り付けることが出来ます。わたしはインサーターはつかったことがありません。
ブーツ 取り付け
圧入気味のタイプは、この様にプライヤーで挟みながら徐々に取り付けていきます。
ワイヤーなどでとめているタイプの場合は、マイナスドライバーなどを使って取り付けます。
ボールジョイントブーツを取り付けた画像です。
新品ブーツ
10ヴィッツの場合は硬い針金バンドのようなもので取り付けてあるものでした。取り付ける際に針金の先端でブーツに穴をあけないように注意してください。
復元していくときは回りに着いたグリース類をよくふき取ってから復元していきます。
ナットを締めたら割ピンを入れるのを忘れないようにしてください。
以上でボールジョイントブーツの交換終了になります。

ロアボールジョイントブーツ 交換費用

ロアボールジョイントブーツの交換費用は備品代と工賃合わせて10000円前後になることがほとんどだと思います。
ブーツはどの車種のものも1000円前後で手に入ります。
工賃は車種によって異なりますが、大体8000円前後になるとおもいます。
DIY整備に関しては、本格的に整備をおこなっている方ならDIYで行けると思いますが、初心者の方は車屋に任せた方がよいでしょう。
専用の工具も高額のものになりますし。
こちらの記事では、自宅駐車場でブーツ交換をDIYで行ったときの内容をまとめていますので参考にしてみてください。

ロアボールジョイントブーツ まとめ

車屋などの点検でブーツの不具合を指摘されたら早めに直しましょう。
ロアアームにガタが発生してアームごとの交換になってしまうとこれの倍以上の交換費用が必要となってしまいます。部品も工賃も高くなってしまいますからね。
ブーツ破れをそのままにして走行を繰り返し、ボールジョイントにガタが出てロアアームの交換が必要となると修理費用は20000円コースです。
そうなってしまう前にブーツの損傷を発見したら、早急にブーツの交換を行いましょう。

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